砂手紙のなりゆきブログ

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アーサー・C・クラークの三法則はSF作家の三法則

 SF作家であるアーサー・C・クラークによる三法則は、その中の第三法則だけが抜群に有名です。

・充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

 そのほかの第一・第二法則は以下のとおりです。

・高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。
・可能性の限界を測る唯一の方法は、不可能であるとされることまでやってみることである。

 これは普通に考えると、科学・科学者に関して言ったことなんですが、メタに考えるとこれはSF作家の三法則です。

1・高名だが年配の編集者が採用すると言った場合、その主張はほぼ間違いない。またボツであると言った場合には、その主張はまず間違っている
2・作品の限界を測る唯一の方法は、採用されるまでやってみることである。

 とすると、第三法則は、

3・充分に発達したSF雑誌は、ファンタジー雑誌と見分けが付かない。

 アーサー・C・クラーク(1917年生まれ)は、高名だが年配の編集者ジョン・W・キャンベル(1910年生まれ)にボツ出しをされ続け、彼の書いた短編で2番めに有名な「太陽系最後の日」は1946年5月号の「アスタウンディング・サイエンス・フィクション」に掲載されました。
 しかし、『白鹿亭奇譚』の短編群がキャンベルに買われたかどうかはどうもあまり真面目に調べてないのでわからない。
 アーサー・C・クラークの、いかにもイギリス人っぽい歪んだユーモアのセンスは、小説よりもむしろエッセイにその真髄が出ているように思えます。
 アーサー・C・クラークが手本にした作家は、多分H・G・ウェルズとステープルドンとチェスタトンなんじゃないかな。チェスタトンのよくわからないユーモア感覚と、わかりやすい風景描写はクラークに通じるものを感じます。

 


※今回は元ネタの人の許諾を得て、少しアレンジを加えてブログテキストにしてみました。