砂手紙のなりゆきブログ

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かわいそうなアルド・モーロ(赤い旅団)

 1970年代は世界中でテロが大人気で、日本では日本赤軍連合赤軍が有名ですが、それ以外では東アジア反日武装戦線による三菱重工爆破事件を含む一連の爆破テロが知られてますかね。
 イタリアでは赤い旅団というテロ集団により、1978年3月16日にアルド・モーロという元首相が誘拐され、約50日間拘束され続けたあげく5月9日に死体となって発見されました。
 この話は映画になってないんですが、「グラディオ作戦」という、CIAの反共大陰謀作戦としての極左偽装テロというのはあったみたいで、映画では『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』(2012年)というのがあります。
 日本の連合赤軍を描いた映画としては原田眞人『突入せよ! あさま山荘事件』(2002年)と、それに対立する視点から描いた     若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)が知られています。
 テロリストを狂人として扱うのは簡単(普通)ですが、歪んだ世界観だけど終始一貫しているという点で、その世界観に歪んだ真珠のような美しさを見てしまうのは、チェスタトンと同じ気分です。
 犯罪小説の作者が頭がおかしくならないでいられるとするなら、相対主義シニシズム以外の逃げ道はちょっと考えられないですな。