砂手紙のなりゆきブログ

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漫画のフォントは誰のもの?

 漫画の中のセリフの文字は、写植というものでできています。
 電子書籍なら電子写植。漫画と同じでデジタルになります。
 昔の手塚治虫の復刻版なんか見てると、当時は写植というものがあったかどうかは不明なんですが、「手描き文字」になっている原稿があったりして、これは写植(みたいなもの)の手配が間に合わなかったんだろうなあ、と担当者に代わって涙が出てきます。
 写植の代金は出版社が文字入力をしてくれる会社に払い、その会社はフォント(文字の字体)を作っている会社に金を払いますが、漫画家はそんなものにお金を払いません。
 理屈から言えば漫画家から出版社が金をもらってもいいと思うんですが、製版代・校正代と同じく、そういうのは出版社持ちということになっています。
 よくわからないのは、原稿を返却するとき、手描きの原稿の上に貼ったリアル写植まで著者に渡してるんですかね。その写植はそのまま復刻版とか同人誌に使ってもいいものかどうか。
 最近は電子化が進んで、漫画家もリアル原稿用紙を渡さない人がいるし、セリフの中の文字もリアル写植じゃないし、また昔の原稿を使って復刻版を作る場合は、写植を電子的写植に置き換えたり、原稿のゴミを拾ったり、褪色が進んでいるカラー原稿は色の補正をしたりとか、いろいろ便利になりました。
 昔は原稿をなくしたら大変な騒ぎですが、今だとネットで増やされることが大変な騒ぎになりました。