梅干しと梅酒(海街Diary)
梅干しに使う梅は、6月半ば過ぎに成熟して落ちた実で、これを土用あたりの炎天下に干したものを土用干しの梅と言いまして、夏の食あたりの予防になります。
梅酒に使う梅は、木に生っている青梅を、それよりも早い時期に取りまして、これは梅雨のはじめごろです。その作業は、一家で一番年が若い者がやるとはかどります。
取った梅はそのままだとジクが残ってて、それを漬ける前にきっちり竹串などで取り除かないと、梅酒に渋みが出てしまいます。その作業はお祖母ちゃんの手を見ながら、一家でやることになります。
うまく梅酒になるのは、漬けてから3か月ぐらいの秋以降で、夏にはまだ飲めません。
梅の木の寿命は、花を見るだけなら大変長いものですが、実を使おうと思うとだいたい30年、ひと世代ぐらいです。
和歌山県の名産になった南高梅(なんこううめ)は、高田貞楠氏と南部(みなべ)高等学校園芸科によって作られ、品種名としては1975年に登録されました。
庭に植える木はビワなどもいいんですが、これは植えた人間が死んでから実がなるという話を、尾崎一雄が書いていました。
ビワの場合は農薬を使う必要はない代わりに、実がつきすぎると大きいのができないので、実が生る前に適切な処置をすることになります。