砂手紙のなりゆきブログ

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走るショットに音を合わせるのは難しい&そういうショットのベスト4(大人は判ってくれない)

 映画・アニメの音響で一番面倒くさいのは足音です。
 アニメの場合は、まず靴を合わせる(ハイヒールとスニーカーでは違います)。
 次に、下を合わせる(地面とコンクリートと学校の廊下と自宅の廊下では違います)。
 さらに、自然を合わせる(天候で違うのはもちろん、雨の前・最中・後では違います)。
 最後に、とびきり面倒くさいのが、歩く・走るのに合わせる。
 普通に考えて、走っている最中は同一テンポで作れますが、走りはじめと走り終わりを、あとでつけるのは大変(というか、ほとんど無理)です。その無理なところを、アニメの音響の人は多分手作業でやる。
 今まで見た映画で一番走ってるのが美しいのは、トリュフォーの映画『大人は判ってくれない』(1959年)のラストで、撮影は「走るシーンが1キロ続いても撮れる」という評判の名職人アンリ・ドカエです。
 その他、
・『マンハッタン』(1979年)のウディ・アレンの疾走
・『惜春鳥』(1959年)の足が不自由な青年・馬杉彰の疾走
・アニメのほうの『時をかける少女』(2006年)の紺野真琴の疾走
 などが印象に残ってます。
 中年・青年・少年・少女はあるので、成人女性の疾走シーンを探したい。
 残念なことに、『マンハッタン』『惜春鳥』は足音入れてないんだよね。『時をかける少女』は、紺野真琴の息入りだけど、足音とあわせてどうもいい加減にやっているように見える。
 おまけに、『時をかける少女』は、音だけ聞くとあまりにもエロすぎて困る。嘘だと思うなら聞いてみてください。これはもう放映禁止レベルですよ。
 しかしまったく不思議なのは、『大人は判ってくれない』の疾走シーンです。これ、音だけあとで入れたのかしらん。鳥のさえずりとか聞こえるんだけど、少年の息はあまり聞こえない。さらに走っている場所によって微妙に音が違う。
 誰がどのようにして音を取った(あるいは、作った)のか、もう少し知りたい。