砂手紙のなりゆきブログ

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あなたなら小谷野敦さんに何をすすめる?(このミステリーがひどい!)

 小谷野敦『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社、2015年)では、著者の私的感性で古今東西のミステリーを、だいたい8割ぐらい、ひどい、とけなしています。
 あまり読んでて腹が立たないのは、ぼくも実はあまりミステリーが好きじゃないせいかもしれないし、小谷野さんの意見は過去の個人的な体験に由来する、個人的なものの考えかたの範囲内にとどまっているので、「だからそこがいいんですよ」以外の反論が思いつかないせいかもしれない。
 ちなみにアマゾンのカスタマーレビューでは、事実に対する記憶違いの指摘だけは参考になりました。
 好きなミステリーは『ロートレック荘事件』(筒井康隆)、『青の炎』(貴志祐介)、『天使の傷痕』(西村京太郎)などということで、傾向を類推してみると、こんな感じでしょうか。
バカミスでも問題はない
・女性が物語に重要な役をしている(仕事をしている)
・ハードボイルドはわからない
新本格はどうでもいい
 そこからあんまり小谷野敦さんが読んでるかどうか不明なんですが、ちょっとおすすめしたい作家・作品は笹沢左保の初期作品です。『空白の起点』なんかいかがでしょう。すでにお読みでしたらすみません。