砂手紙のなりゆきブログ

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忠犬は雪の日に凍死する(無法松の一生)

 映画『無法松の一生』(1958年)は、小倉の暴れん坊で無学だけれど一途に生きた富島松五郎(通称無法松)と、軍人の未亡人・吉岡良子とその一人息子・敏雄の物語で、無法松は物語の中で小学生の敏雄と出会い、その成長を見届け、よぼよぼになって雪の中で死にます。小倉工業学校の秋季運動会では飛び入りで一等賞になったり(なんでこの学校なんだろう)、夏祭りでは祇園太鼓を暴れ打ちしたり、とにかく松五郎役の三船敏郎がものすごくめちゃくちゃでかっこいいです。
 なんか小学生の感想文みたいになってしまったな。ぼくは、この映画の中で松五郎が死ぬところでは涙が止まりませんでした。あと、子供の時の松五郎の回想で、今までに一度だけ泣いたことがある、という話とかね。
 気になるのは、吉岡敏雄が通っていた旧制中学(だと思う。のちに敏雄が行く熊本は旧制第五高校で、旧制中学以外からはなかなか入れない)と師範学校の仲の悪さです。どうしてそんなに仲悪かったのか。そもそもそんなに仲悪かったのは本当なのか。
 もう、喧嘩とか祭りとか、当時の映画を見ると感心するのは贅沢な人(エキストラ)の使い具合です。
 大昔、まだパソコンのワープロソフトがフロッピーディスクだった時代、「松」というソフトがありまして、これを不正コピーして文書ファイルを作り、保存したファイル編集をしようとすると「さあ、これが無法松の暴れ打ちじゃあ」というメッセージが出て、せっかく作った文章が「松松松松松松松松松松松松松…」になっている、というネタがありました。
 1980年代はじめのことなので、ぼくもよくは知らない。