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砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

赤と青の線のどちらを切ればいいのか、という話は『ジャガーノート』(1974年)が起源

 映画『ジャガーノート』(1974年)は、大西洋航路をアメリカに向かう豪華客船(ということになっているけど、どこかチープさを感じさせる)ブリタニック号に爆弾が仕掛けられ、荒海の中を処理班が乗り込んで、赤と青のどちらの線を切るか決めさせる話(の元祖・起源とされているもの)です。
 映画は豪華なのかチープなのか微妙な、1970年代の豪華さで、当時流行ったパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)からヒントを得ている部分も多く感じられ(夜明けに爆破する前に仮装パーティやるとかですね)、平日の午後、昔の東京12チャンネルとかで何度もやってたような映画です。
 リチャード・レスター監督の芸風は、あまりにも高度すぎて狙っているところにうまく飛んでいかないギャグで、たとえば凡人が守備練習で、「じゃあ次、外野行くぞ」と、コーチが打とうとしたボールを空振りしたり、頭の上に落ちたりするギャグにするところを、ホームランにしちゃう、みたいな芸風です。まあ要するにイギリス風。
 そんな呑気な芸風なうえ、荒海や爆弾処理で死ぬ人が出るため、次には誰が死ぬのか、みたいなハラハラ感は『ポセイドン・アドベンチャー』よりもむしろ高いぐらいです。
 爆弾の処理は、ブービートラップが実に複雑な構造になっていて、爆弾のプレートを開けるところから赤と青の線にたどりつくまでがもう見ている側のテンションあがりまくり。
 実際に切られる線は、上の青・白・緑・下の青で、さらにややこしいことになっています。
 でもまあ、21世紀の映画いろいろ見ている人は、1970年代のパニック映画って多分あまり面白くないんですよね。
 なにもかも『タイタニック』(1997年)が、ジャガーノートさながらに、すべての過去のパニック映画を踏み潰していきました。