砂手紙のなりゆきブログ

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手遅れ(鶴田浩二)

 役者の鶴田浩二は、深作欣二の映画『血染めの代紋』(1970年)に出演したときには、次のようなやりとりがあったそうです。

監督「何か気がついたことがあったら言ってください」
鶴田浩二「手遅れだよ」

 何が手遅れかというと、刑務所から出てきた親分のボストンバッグを、子分たちが持つ、という日常(日常の演技)を、すでに役者たちは失っている、という意味なんですね。
 昔の鶴田浩二は、リアルでも京都駅のホームでボストンバッグを持って降りると、出迎えの者たちがかっさらうような勢いで荷物を持とうとしていたそうであります。
 えきのしゅうてん先生に聞いたら、「もう先がない」、という話(落語)もあるんだけど、細かなところ思い出せないな。思い出せたらまた書きます。
 屋根から落ちた男を、やぶ医者に見せたら「これはもう手遅れだ」ということで、「じゃあ、いつだったらよかったんで…」「あー、屋根から落ちる前だったらよかった。手遅れにはならなかった」という…。

 本日は419文字です。