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砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

21世紀の漫画編集者(漫画編集者)

 木村俊介『漫画編集者』(フィルムアート社、2015年)には、以下の漫画編集者が出てきます。
・猪飼幹太(月刊コミックリュウ
・三浦敏宏(ヤングマガジン ヤングマガジンサード
・山内菜緒子(週刊ビッグコミックスピリッツ 月刊!スピリッツ
・熊剛(月刊Gファンタジー)
江上英樹(IKKI)
 この手の話はどうしても、諸般の事情で現役編集者が引退してからの話、つまり回顧録っぽくなりがちなんですが、江上英樹氏を除くと働き盛りの、ということはつまり現在進行形で漫画編集者の苦労を体験しながらヒット作を作っている人が、どういうことを考えているか、という話になっています。
 このロング・インタビューで自分を語っている編集者は、自分の雑誌が潰れたり潰れそうになったり、もういろいろ苦労してるんで大変みなさん謙虚です。謙虚だけどこれだけのことはやっている、というので参考になります。
 読みながら思うのは、漫画に限らず編集者って大変だな、ということです。
 今は編集者に読者が見えにくい状況で、読者のほうも何が面白いのかが見えない(雑誌・漫画単行本の数が多すぎて埋もれてしまう)時代で、さらにもう、電車の中とかどこに行っても、漫画も含めて本なんか読んでない、スマホの画面しか見ていない人ばかりになってます。
 創作物を売って、というか金を回して、回している人たちが幸せになれる時代はもう、なんとなく終わりつつあるんだろうなあ、みたいに思ってしまいます。
 この本の中で、山内菜緒子氏はこのようなことを言ってます。P164-166

『今の時代の漫画の読まれかたについては……先日、大学生のかたがたからの取材をお受けしたんです。「THE FUTURE TIMES」で私が作った記事に関して、ゼミの研究課題のために話を聞かせてほしいということでお会いしました。せっかくならこちらも取材をさせてもらおうと思って、「ふだん、本を読みますか?」と訊かせていただいたんですよね。とても頭のいい学生さんたちだったので、どんな本を読んでいるのかなと思って訊いてみたら……まったく読んでいないとのことでした。
(中略)
 ゼミの課題でフリーペーパーの取材に来るぐらいだから、メディアにそれなりに興味を持っているものだと思ってしまったんですよね。それでも、たとえば「小説は読まないけど、漫画は読んでいます」だったら、漫画を読むのがたとえ漫画喫茶だろうが、スマホで読める無料漫画だろうが、まだ読んでくれてはいるんだなって思えるんですけどね。そもそも、漫画を含めてまったく書物に触れていない人たちがどんどん増えている時代なんだ、というのを、あらためてじかに会った若いかたがたから実感させられたんです。』

 まあ昔は本を読む人は多かったかというとそんなこともないんですが…。

 

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