砂手紙のなりゆきブログ

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萩尾望都『トーマの心臓』のトーマの自殺の理由にマジで困る

 萩尾望都トーマの心臓』(1974年)は、少年たちの愛と誠の物語です。
 ドイツのギムナジウムの生徒であるトーマ・ヴェルナーは、1974年3月9日(土曜日)の朝、一通の手紙を優等生(ぶってる偽善者)のユリスモール・バイハンに出したあと、陸橋から身を投げて鉄道自殺します。
 当時のドイツの鉄道事情はさっぱりわかりませんが、これが日本で平日の朝だったら、もう少し場所と日時を選べよ、と思ったり言われたりするところ。
 なんでトーマが自殺したかというと、ルバング島小野田寛郎少尉に任務解除・帰国命令が出されたからです。
 そんなことはともかく、本当の理由は検索すればわかるし、ネタバレになるのでここには書かないのです。
 一言で言えば「ぼくがユリスモールだったら、これはたまらん」という気持ちです。
 宮部みゆき『ソロモンの偽証』(小説は2012年)の不良少年・大出俊次よりもたまらん。