砂手紙のなりゆきブログ

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『指物師名人長二』とモーパッサンと三遊亭円朝(橋本雅邦)

 三遊亭円朝の作による『指物師名人長二』は、名人の犯罪創作実話みたいなところの原作がモーパッサンの短編「親殺しの話」に由来していて、これは現在では『三遊亭円朝探偵小説選』(論創社、2009年)で比較的簡単に読めることになっています。まあもっと簡単に読もうと思えば国会図書館デジタルコレクションがあります。
 で、この話を古今亭志ん生が2時間半ぐらいやったのがありまして、名人のひとりとして「橋本雅邦」とその絵である龍虎図について語っています。

『大変なもので、嵐でございましてな、こう、竹が縦横になっていて、びやーっというひどい嵐の中に、龍と虎がこう向かい合っている。そしてこの、雄龍がいて脇に雌龍がいる。こっちには虎がいて、虎の女房が「お前さんしっかりおやりよ」なんてことを言っている。だから虎のほうなんざ「なんだこの龍なんざ、蛇のでかくなったもんだ。ええ、こっちは虎だぞ本当に」ってんで、爪を立てて飛びつこうとするところを、龍のほうがぱーっってんで口を開いてるから、虎がひょいっと後びしゃりをしている、この腰の驚いて後に下がるなんてところの、筆の具合なんてのが、本当にもう、屏風を見ていると思えないくらいですな。龍のほうじゃ龍のかみさんがこうやって、「おれの亭主は強いだろ」ってなこと言って、実にいいもんでございますな』

 この龍虎図も、簡単にネットで見つかるから探してみるといいのです。