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砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

香りと手触りでできた歌(スカボロー・フェア)

 サイモンとガーファンクルの歌で(多分)知られている「スカボロー・フェア」は、イギリスの古歌、というかフォークソングということになっています。
 訳詩その他はウィキペディアに出ていますが、そもそも最初の一行がわからない。
 わかることはわかるんですが、「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」って。
 なにか、小説みたいなものを書いている人に聞いてみたいんですが、この4種の薬草(ハーブ)の香りを、テキストで表現してみようかと思ったことなんかありますかね。
 パセリ…さわやかな香りと口に入れたときの苦味(セリ科)
 セージ…強い香りで肉の臭みを消すためソーセージを使った料理に使われる。ソーセージの語源(シソ科アキギリ属)
 ローズマリー…マツに似た香り(シソ科)
 タイム…昔のミイラみたいな香り(シソ科イブキジャコウソウ属)
 要するに、ほとんどテキストとしては書き分けられない。
 それぞれの植物が持っている意味にしか意味がないんですね。
 つまり、パセリは「勝利・死の前兆」、セージは「幸福な家庭」、ローズマリーは「貞節」、タイムは「勇気」。
 さて、それでは、その歌詞の中に出てくる「カンブリックのシャツを作れと伝えてくれ(Tell her to make me a cambric shirt)」の「カンブリック」って何でしょう。
 こんなものは、実物を手で触ってみないとわからないなあ。今は合成繊維の時代なので、合成繊維が想定されていない世界(ファンタジー的異世界)では適当に、「白くて軽量の、表面に光沢がある、手触りのいい素材でできた服」とかするしかない。麻とか亜麻とか綿が想定されているファンタジー的異世界ではそれも可能です。
 亜麻(リンネル)でできた製品、フランス語であるラーンジュはランジェリーの語源なので、亜麻とフランス語のあるファンタジー的異世界ではランジェリーもある。
 カンブリックは別名シャンブレー(英語: chambray)で、多分C・L・ムーアのスペースオペラ短編「シャンブロウ」はこれに由来している。
 そんなのは女性作家と女性翻訳者と服にくわしい人間にしかわからないはず。