変な一人称(変態王子と笑わない猫)
アニメにもなったライトノベル『変態王子と笑わない猫』は、猫像が邪悪な願いを(というか、願いを邪悪に解釈して)かなえる、貧乳の子ふたりがメインヒロインという、貧乳好きにはたまらない(自分がそうだとは言ってない)物語です。
この物語のヒロインのひとり、偽装お嬢様の小豆梓は、今までに見た・読んだことのない一人称で自分のことを言っています。
つまり、「こっち」。
最初に、主人公と会う場面ではこんな感じ。
『こっちが呼んだら、夜中の二時でも、遠く旅行中でも、親の死に目でも、いつもいつでも駆けつけてくれるかしら? こっちのためにすべてのことをなげうって、盲目の羊のように付き従えるの?』
でもって、主人公が「ぼくの大事なもの(注:もうひとりのヒロイン・筒隠月子の感情表現)を返せ!」って言うところでは、こんな感じ。
『それより、あなたはこっちのためになにができるのかしら……?』
ただ、アニメの場合はこうなってました。
『あなたはわたしのためになにができるのかしら』
誰も気がつかなかったのかなあ。
そういうのは、原作者が気がつかなくても、アニメの制作進行が気づかないといけないんじゃないかと思った。
ただですね。OPの歌詞はこうなっています。
『もう一回こっち向いて 言いたいことがもっとあるから』
要するに、これは小豆梓の気持ちですね。作詞した人はわかってる。
それからさらに、こんなフレーズもあります。
『私から誘う勇気を下さいと月に願うの』
これは、妹の筒隠月子が好きでしょうがない姉で、陸上部の鋼鉄の王・筒隠つくしの気持ち。
筒隠月子の一人称は「わたし」で、多分それはEDで語られる気持ちかな。でも「君」ってのが変だけど。