砂手紙のなりゆきブログ

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友だちについて(TARI TARI)

 なんでこの人たちは仲良しなのか、不思議なのがアニメ『TARI TARI』のメイン・ヒロインの二人、宮本来夏と沖田紗羽ですね。
 そもそも『TARI TARI』は物語と関係ない部分の設定説明が異様に少ないアニメで、たとえば宮本来夏の家がどこにあって、父母は何しているのか(そもそも存在しているのか)、沖田紗羽の母親・志保さんと、もう一人のメインヒロイン・坂井和奏の母親・まひるさんとは同じ高校の合唱部なのに全然話に関係ない(志保さんは和奏のことをはじめは知らない)とか、これだけ省略しても話は成立するのか、と妙なところで感心してしまうんですが、来夏と紗羽の場合は、白浜坂高校の同じクラスの3年生でいきなり友達で話がはじまってて、それももう何度も紗羽の家(お寺やってます)に遊びに行ってて、ポッキー食べながら床に転がってベッドに足を乗せてごろごろしているところを見るととても仲いいわけですよ。
 で、この二人の共通点は皆無。
 来夏はチビでウザくて空気読めなくて、家にはTOEICの学習本があるぐらい馬鹿じゃなくて、もう一方の紗羽はナイスバディで(P.A.WORKSと京都アニメーションのアニメはモブキャラにすらブスとかデブはいないので、あちらの世界観は不明ですが、登場人物の一人がそう言ってます)弓道部で声がでかくてリーダー・まとめ役タイプで留学する。
 だいたい普通の、というかぼくの感覚としては、共通点がない二人が友人になるにはプリキュアみたいにすごい敵がいて、淫獣とかにお願いされてなる、とかじゃないんですかね。あとは、席が近いとか(名前順で岡本と沖田なら、並んでてもおかしくない)、幼稚園からずっと同じ幼馴染とか(この二人は、電車通学と自転車通学なんで、小学校・中学校は別だったと思う)、図書カードで同じような本を読んでたとか(今は個人情報の管理が厳しくなったので無理)。
 ただ、そういう風に本当は人って誰かと友だちになるのに理由なんていらないんだろうな、と考えさせてくれるのが、物語とリアルライフの接点として面白いところではありました。
 友だちの話だと、今のところアニメ『ひとひら』って演劇で結ばれた二人(話の流れ的にはライバル)の、熊鷹芸術学院演劇部部長・榊美麗と、そこを飛び出して仲間と演劇研究会を作る一ノ瀬野乃の関係がすごく泣かせます。
 声が出なくなった一ノ瀬野乃が、榊美麗と演劇部の倉庫みたいなところに閉じ込められちゃって、筆談で野乃が「友達はいる」って書くところ。ちゃんと漢字で書けるんだ!