砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

いつから小林信彦はつまらなくなったのか(蒼穹のファフナー)

 エントリーのタイトルはdisとかじゃなくて、週刊文春の連載まとめて本になったの見ると、いったいどういう層に小林信彦の需要があるのか、とんと不明だったので少し煽ってみました。それを世間ではdisと言うのか。
 週刊誌には週刊誌なりの事情もあるとは思うんですが、年取った人、特に文章家としては玄人でもジャーナリスト的には素人の、情報源が限定されている(小林信彦さんの場合は多分情報源は日刊ゲンダイ東京新聞がメイン)時事ネタって数年後に読むと呆れるほどつまらない。CMネタよりましなのは、元ネタがかろうじて分かるところぐらいかな。長谷川町子だってそうだったんだから、これは仕方ないというしかないですね。
 小林信彦さん、本として一冊にまとまったときのことを考えて、時事ネタであろうと数十年後に読まれても面白いものを書くといいのに。その点丸谷才一伊丹十三の昔の雑文集なんて、時事ネタがほとんどないから情報が古くなっても楽しい。「007の映画に出てくる鰐梨」とか、謎テキストもありますが(鰐梨=アボカドです)。子母沢寛『味覚極楽』も、今でもそんな店あるの? みたいのばっかりだけど、ウィキペディア見ながら読むと楽しい。小林信彦も過去の話を書くときみたいに、今の時代を調べなければだめなんじゃないかな。
 だいたい春にアカデミー賞の話して、クリント・イーストウッドの新作と、古今亭志ん朝の話して、戦争体験とラジオの話して、現政権を(日刊ゲンダイをソースに)批判して、ってのを10年ぐらいやってる。ときどき新作映画と、昔の映画の話するけど、まぁまとめて読むようにはできてない。ボカロもハルヒ西尾維新2ちゃんねるもないゼロ年代
 多分小林信彦が新しいネタを仕入れていたのは、娘さんがまだ結婚してなくて自宅にいて、娘さん経由で自然と情報が入っていた時代なんだろうと思う。そういう親、けっこういるんだよね、子供が独立しちゃうと昔のことしか話せなくなるの。彼の場合は、氷室冴子とか吉田秋生は子供経由での情報ですね。ネットやれよ小林信彦。自分のスレッド盛り上げてみないか?
 それに比べて元気な人もいて、その筆頭にぼくは辻真先さんを挙げたいです。何しろ池袋のオタク映画館で2週間しかやらなかった『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』を、わざわざ熱海から上京して見に行ってるんですよ。アラエイティーなのに。twitterもやっているので、辻真先さんと小池一夫さんは若い人がフォローしてても損のない人だと思う。

 

(追記)

蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』はもっとずっと長くやってました。すみません。だいたい話を盛っちゃうのが悪いくせです。