砂手紙のなりゆきブログ

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21世紀になって黒人の出てくる1960年代の話作るのは楽でいいなぁとか思った(ヘアスプレー)

 映画『ヘアスプレー』(アダム・シャンクマン、2007年)は1962年初夏のボルチモアを舞台にしたミュージカル映画で、ぽっちゃり系女子とアフリカン・アメリカンが歌って踊って人種差別に抗議する、テーマはあるけど娯楽映画です。
 だいたい50年ぐらい昔の、まだ公民権運動が盛んだったころで、クリストファー・ウォーケンジョン・トラボルタが信じられないぐらいいい役してて、主人公のとてもぽっちゃりしている女の子(ニッキー・ブロンスキー)はローカルなテレビ音楽番組のスター高校生と結ばれます。
 見てて楽しいし、黒い人の踊りとかすごいんですが、どう考えても21世紀っぽさが漂う不思議な映画でした。
 あの時代にそんなに白い人は黒い人の音楽とか踊りとか歌ったり踊ったりしたかなぁ。ビートルズのコンサート映像見ても白い人ばかりだし、白黒混ざり合ったのは個人的には1970年代になってからの印象。
 アカデミー主演男優賞で黒人が受賞したのは1964年のシドニー・ポワチエ(野のゆり)で、主演女優賞は2002年のハル•ベリー(チョコレート)なんだけど、テレビドラマ『原子力潜水艦シービュー号』は白人男性ばっかりで、『宇宙大作戦』(1966年)が黒人女性を出した最初のものらしい。
 ただ音楽に関しては1960年代はじめぐらいに混ざり初めてたのかなぁ。チャック・ベリーが黒人だったのを知ってびっくりしたのはずいぶん前の個人的体験でした。
 でもシュプリームスとか昔のモータウンサウンド見たり聞いたりしてもそんなにすごく踊らないですよね。あれはやっぱマイクの限界があるんだよ。1960年代はじめの技術じゃ映画『ヘアスプレー』最後のスタジオ生放送のはずの"You Can't Stop the Beat"なんて生じゃ絶対無理ですから。
 ていうか映画でもこれ、クチパクですよね…。

Hairspray - You Can't Stop the Beat - YouTube

 しかしぽっちゃり系の需要は21世紀になってもあまりないのかなぁ。ぼくはデブが10人ぐらいで踊っている映画がみたいです。
(注)
 映画『ヘアスプレー』は1988年に映画が作られ、それが2002年にミュージカルになってて、2007年のはそれの映画化です。