砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

森繁久彌の映画「社長」シリーズの社長ってどのくらいの規模の会社なの?

 森繁久彌の「社長」シリーズは、本社が丸の内もしくは銀座で、自社ビルで、だいたい先代社長がいる、ということになってるんですが、そこから先はどうもよくわかりません。
 日本国内に複数の支社があり、海外への進出・技術提携も盛んであるという高度成長期の1960年代と、21世紀の規模をどうやってそもそも比較したらいいのか。
 興味深いのは映画『サラリーマン忠臣蔵』『続サラリーマン忠臣蔵』(1960年12月・1961年2月公開)ですが、この中では森繁は大石専務という役で、赤穂産業の浅野社長(池部良)がアメリカからの視察団を迎える丸菱財閥のイベントで丸菱銀行・吉良頭取の無礼ぶりに頭にきて殴り、交通事故で死んだため、森繁の大石が新会社設立・赤穂産業株の買い占めでその仇をとる、という話です。
 お軽・勘平とか定九郎とか出てくるんで、仮名手本忠臣蔵の筋にのっとっています。NHKの大河ドラマ大佛次郎史観による『赤穂浪士』が一般的になるのは1964年のことかな。今はむしろ仮名手本忠臣蔵のほうが知られてない。
 まず、なんとなくわかるのは、
・丸菱財閥というグループの会社(なんか化学系のもの扱ってる会社みたいだけど、特に工場は不明)
・株式公開してて、総数200万株ぐらい(吉良派99万5千票、大石派100万票で逆転)
株主総会の会場は150から200人ぐらいでいっぱい
 ということぐらいですかね。でも赤穂産業って47人抜けるぐらいで経営苦しくなる(逆に、47人ぐらいの会社で株を買い占められる)ほど小さかったのかな。当時の社員数とか株価とかもう少し調べたい。
 現在「三菱金曜会」の会員28社で似たようなところを探すと「三菱化工機」あたりかな? 機械製造している会社ですが、資本金約40億円、従業員数約600人、で東証一部上場。79,139,500株で2014年2月の最新株価は166円。半数買うには66億円なんで、ちょっと買い占め素人には無理です。
 森繁の会社は、役員・部長の数を考えると社員は全部で200から300人、東京に半分ぐらいがいる感じですかね。
 ちなみに映画会社の東宝は、従業員数(単独)が385人、発行済株式数が188,990,633株。半分の1億株買うには最新株価2041円だから2千億円以上いるんでさらに買い占め無理です。

関連記事:
映画「社長」シリーズと観光(社長千一夜)

森繁久彌は桂文楽で、フランキー堺は古今亭志ん生で、三木のり平は林家三平かな(へそくり社長)