劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』が思った以上に黒澤明『七人の侍』だった(WUG)
(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください)
アニメ『Wake Up, Girls!』は仙台を舞台にしたローカルアイドルの話ですが、テレビの各話は黒澤明の映画作品に由来し、またアイドルの7人の名前・性格づけも映画『七人の侍』をヒントにしています。
・島田真夢(しまだまゆ)=島田勘兵衛(志村喬)
・林田藍里(はやしだあいり)=林田平八(千秋実)
・片山実波(かたやまみなみ)=片山五郎兵衛(稲葉義男)
・七瀬佳乃(ななせよしの)=七郎次(加東大介)
・久海菜々美(ひさみななみ)=久蔵(宮口精二)
・菊間夏夜(きくまかや)=菊千代(三船敏郎)
・岡本未夕(おかもとみゆ)=岡本勝四郎(木村功)
ということで、このアニメは多分黒澤明の全作品を3回ぐらい見ている人にはもっと楽しめるんじゃないかと思うんですが、ぼくだってそんなに見ていない。
黒澤明の映画は、『デルス・ウザーラ』以前は今の感覚だとちょっとくどすぎるかな、みたいな感じでした。
(志村喬)「お前の話はくどいよ」
(三船敏郎)「何! くどいだと!」
(志村喬)「ああ、くどい」
(三船敏郎)「くどくない! どこがくどいだ!」
(志村喬)「いや、くどい」
(三船敏郎)「くどくない!」
でもって、2人が酒場で喧嘩する。
ちなみに小津安二郎だと、
(笠智衆)「くどいかな、わしは」
(原節子)「そうですわ、くどいですわ」
(笠智衆)「そうかねぇ、くどいかねぇ」
(原節子)「そうよ、くどいわ」
でもって、壺とか写す。
ちなみに成瀬巳喜男だと、
(杉村春子)「くどいだって、ふん、何言ってんですかねぇ」
でもって、台所でコロッケ食べる。
まぁそんなことはどうでもいいんですが、劇場で『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』見たら思った以上に『七人の侍』でした。
事務所の人(松田耕平)が町でアイドルを探して土下座するところから、最後の雪のステージで歌うところまで。I-1クラブは野伏です(それは嘘。あと旗も作らない)。
画面構成を含む演出もいろいろ黒澤明から頂いてるとは思うんですが、素人のぼくには公園のブランコで歌ってる島田真夢をスカウトしようとするところが、島田勘兵衛の農家に立てこもった悪者退治とおんなじやん、とか。おにぎりの代わりがボールなのか。
ちなみにそんなにくどくはありません。
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