砂手紙のなりゆきブログ

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死ななきゃなおらない馬鹿に関する誤解(次郎長三国志)

 マキノ雅弘次郎長三国志東宝東映)は、もはや同時代として見た人はあまり多くはないでしょうが、いろいろ見どころの多い話で、浪曲の二代目広沢虎造が「張子の虎三」という役で、「俺は喧嘩は弱いんだ!」って名セリフつきの次郎長一家の子分として出てきます。「清水港の名物は」というなかなか有名な浪曲を語ります。
 その中で有名な「馬鹿は死ななきゃなおらない」なんですが、正確には、

ご存知森の石松は 腕が強くて度胸がよくて
生まれついてのお人好し
それを世間じゃ馬鹿と言う
馬鹿は死ななきゃなおらない

なんで、馬鹿というレベルに達するにはちょっとレベルがあるような気がします。
 ただ、1作めの冒頭では、

親からもらった五尺の体 大事に使えば五十年
何の因果でいれずみ入れて 朝から晩まで賽の目暮らし
馬鹿は死ななきゃなおらない

とか歌ってるんで、そこらへんがわからなくなる。
 少なくとも森の石松に関しては「頭が悪い」という意味で「馬鹿」は使われてないですね。