砂手紙のなりゆきブログ

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アニメ『ラブライブ!』のファーストライブには何台のカメラが使われたのか

 アニメ『ラブライブ!』は少子化その他の影響のため廃校になりそうな学園を、学園アイドルという企画で新規入学者を集めようと考える女子高生たちの話です。スタート時点では3人だった仲間が、アニメ2期その他の最後では9人になります。しかしファーストライブとして学校のステージでやったものを観客として見ている者は皆無で(こっそり見ていた人はあとでメンバーになる人だけでした)、にもかかわらず3人は頑張ります。
 それはいいんですが、ステージの彼女たちを撮るには、実写だったら何台ぐらいのカメラが必要なのかを考えると頭が痛くなります(と、ハル・アシュビー監督のローリング・ストーンズのライブ映画『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』を思い出しながら考える)。ステージのライブ映像には、「カメラで撮ってる人」をどこまで写さないようにできるか、というのが大変な問題なんですが、最近はリモコンで動かせる小型カメラなどもあってなかなか便利なようであります(ケーブルなどは必要)。
 このアニメはカメラワーク、っていうのかな、構図の取り方が実にうまくて、それはライブシーンに限定されたことではありませんが、話すと長くなるので略します。
 ユニット名をμ's(ミューズ)っていう3人でのファーストライブでは「START:DASH!!」という曲を歌います。
1・正面から一人一人にライティング(まず1台)
2・右側面から高坂穂乃果のバストアップ(2台目)
3・正面から全員のバストアップ→全身(これ多分1台のカメラじゃないと思うんで3台目)
4・右側面下から南ことりと園田海未(2のカメラが使える)
5・左ななめ上から高坂穂乃果のバストアップ(4台目)
6・左側から右側へカメラ移動しながら全員の上半身(5のカメラが使える)
7・ステージ上の全員の全身(1のカメラで撮影)
 …と、いろいろ考えてみたんですが、高坂穂乃果の後ろ下からのカットがあるので断念しました。これを撮っているカメラが写らないで、どうやって撮ることができるのか。

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 さらに3人がマルチカメラ的に激しく変わったりするのはもう、それだけでカメラ3台必要です。
 一番謎なのが最後の天井からの構図。そりゃミュージカルとか映画では、バラバラに撮って組み立てればいいんで、カメラが写らない撮り方もありますけどね。ライブではどうするのか。

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 ちょっと確認してみたけど、ストーンズのライブ映画(映像)では、メンバーの後ろから撮ってるカメラとか、ミック・ジャガーの動きに合わせて移動するカメラとか写りまくってますね。多分アリフレックス。編集技術で名をあげたハル・アシュビー監督の腕の見せどころであります。今はいろいろな人が過去のライブ映像参考に構図作ってるんでもっとすごいのありそう。
 最近のライブだと、東山奈央さんのを見てみると、正面と左右、それにステージ近くでカメラ持って移動して撮ってる人、の4台しか確認できなかった。非常時に備えて予備が2台ぐらいはあるかなぁ。
 アニメのファーストライブはアニメ上の演出で、実際に、というかアニメの中でネットに上がってることになってる映像はもっとシンプルなものだと勝手に想像します。撮影用カメラ5台にスタッフ10名なんて用意できないと思う。