砂手紙のなりゆきブログ

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アニメ『K』とてもおもしろいんだけど、タイトルで検索がむずかしいのが損してる

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください)
 アニメ『K』(2012年)は、パラレルワールドらしい日本の学園島にある葦中学園高校に通う平凡な高校生・伊佐那社(いさなやしろ)が、ネコと一緒に学園祭の備品買い出しに町へ出たら、赤い人たちに仲間を殺されたということで襲われるところから話がはじまります。
 映像として残されているものには、あきらかに社が人を殺しているところが映っており、彼はその真相を突き止めないとならなくなります。
 そんなヒッチコック映画みたいな冒頭から、その他あらすじだけ書いてしまうと『ギルティクラウン』や『デュラララ!!』や『アクセル・ワールド』の類似作品みたいな感じで、おもしろさをうまく伝えることができないんですが、『ギルティクラウン』が『失敗したコードギアス』だとすると、これは『方向性を変えてみたギルティクラウン』ですかね。
 町のチンピラヤクザと生徒会みたいなのの戦いが全世界を賭けたものにスケールアップするところがすばらしいです。
 なんかまたどっかで見たような話だなぁ、ってぼんやり見ていたら(剣撃のショットの音のあわせかたが大変だろうな、と思うぐらい)、伊佐那社の過去が実はネコによる模造記憶(捏造記憶)で、学園のみんなが彼のことをしらない、という中盤の展開におどろいた。
 考えてみると社がセキュリティすごい学園に出入りするのに認証の道具持ってないとか、いちおう伏線あるんだよね。フィリップ・K・ディックの主人公ならシリアスに行動するんだけど、この話の主人公は飄々としていて、熱い汗も血の涙も流さないで問題解決する。この話の魅力は主人公の性格設定にだいぶ依存していると思った。
 1本の劇場用アニメとか映画だったらこういう設定くずしあってもまぁそうなんだろうなぁ、とか思うだけですが、テレビで放映してたときに見た人はいったいどんな気持ちで見ていたのか知りたくなった。けっこうややこしいアニメの筋ですが、放映したときに見てた人も今ごろ見ればまたたのしめるんじゃないかな。