砂手紙のなりゆきブログ

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誕生日の歌は歌えない(まよチキ!)

 ダークダックスが歌う四季の歌は「どじょっこふなっこ」「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」「雪の降るまちを」ですが、「ちいさい秋みつけた」は、ダークダックスのメンバーが「秋の歌があれば四季完成するのになー」と思ってサトウハチローに頼んで作詞してもらってあとで追加しました。
 嘘です。
 ボニージャックスだったかなぁ。
 嘘です。
 ちなみに各曲の初出は1948年、1949年、1955年、1952年で、ダークダックス用でもボニージャックス用でもありませんでした。
 それに「どじょっこふなっこ」は春の歌じゃなくて四季の歌です。ダークダックスなら春の歌は「カチューシャ」かな。
 りんごの花が咲くのは日本だと弘前のりんごの花まつりゴールデンウィーク中なのでおわかりのとおり、だいたい日本では桜のあとなんですが、ロシアではどうなんだろう。ほころぶころでも日本では春のはじめの歌ではない。
 なお「ホワイト・クリスマス」は「イースター・パレード」で一発当てたアーヴィング・バーリンが調子に乗って作ったら、パラマウントが「ついでに記念日の歌ぜんぶ作ってくれない? 儲かるよ?」って頼んできたのでほかの歌も作って、妙な記念日ミュージカル映画になった『スイング・ホテル』(1942年)の中の一曲です。他の記念日の歌はヒットしませんでした。
 映画『イースター・パレード』は1948年の作品ですが、曲は1933年のブロードウェイ・ミュージカル『As Thousands Cheer』のために作られたもので、『世紀の楽団』(1938年)の中ですでにつかわれています。
 そういう記念日の歌よりももっと儲かりそうなのは誕生日の歌ですが、あの有名なやつ(Happy Birthday to You)は著作権がアメリカのほうでは2030年まで存続することになっているので(日本ではいちおう切れていることになっている)、映画やアニメではめったに歌われることはありません。あんなくだらない、といっては失礼だな、どうでもいい歌の使用料はらうくらいなら別の誕生日の歌作る。「ジングル・ベル・ロック」や「ホワイト・クリスマス」なら金をはらってもいい(「ジングル・ベル」はとっくに著作権が切れてます)。
 ということで、アニメ『きんいろモザイク』では大宮忍のためにアリス・カータレットが妙な誕生日の歌を歌って、『まよチキ!』では主人公・坂町近次郎(さかまちきんじろう)の妹・紅羽(くれは)のためにヒロインたちがすてきな誕生日の歌を歌います。「Happy Birthday to You」だけだったら大丈夫なのか。
 アニメ『まよチキ!』は、お嬢様・涼月奏(すずつきかなで)の執事で同級生の近衛スバル(このえスバル)の秘密を知ってしまった、拷問につよい坂町近次郎がひどい目に会う、ありがちな黒いお嬢様とツインテールのけなげな子が出てくる暇つぶしアニメです。これ見終わったあとにはつくづく、いい暇つぶしをしたなぁ、って気になります。世の中には「金と時間かえせ」と思ってしまうようなアニメもあるので、そんなのよりは数等おもしろいです。

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