映画『情婦』(1957年)でよくわからないところ
(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください)
映画『情婦』(1957年)はアガサ・クリスティーの短編「検察側の証人」をもとにビリー・ワイルダーが監督・脚本を手がけた法廷・裁判映画です。
舞台はイギリスで、心臓病の気がある法廷弁護士ウィルフリッド・ロバーツ卿が、殺人事件の容疑者とされている男性レナード・ボールの依頼を引き受け…ええと、ここから先は、特に結末などは絶対に話さないでください、というアナウンスが映画の中でされるのでぼくもやめておきます。
話としての出来は日本映画『神阪四郎の犯罪』よりは落ちますが、ミステリーとしての「えー?」というびっくり度はかなりある映画でした。
(以下、本当にネタバレっぽくなるんで十分ご注意ください)
この映画に関してはいまはもういない映画そのほかの評論家・瀬戸川猛資が、川本三郎・和田誠との鼎談『今日も映画日和』(文藝春秋・1999年)の中で面白いことを述べています(他の鼎談相手のふたりはやっぱり「えーっ?」って驚きます)ので、それを要約して話します。
ウィルフリッド卿が用いる小道具として「片眼鏡(モノクル)」があり、これの反射光を依頼人の顔にあてて相手の反応を見たりするんですが、それが最後のシーンで、無罪になったレナードに返される証拠物件の中にある「ナイフ」を照らして、事件に関係あったひとりの人間に教えるんですよね、「ほら、ここにこんなのがあるよ。使うといいんじゃない?」みたいな感じで。
で、実際にそのナイフは使われます。
これ確認したときには本当に驚いた。
で、この映画でよくわからないところというのは…これはとある老婦人の遺産8万ポンドをめぐる犯罪と、その意外な真相なんですが(ちなみにクリスティーの短編も、短編としては非常にまとまりのいいものですが、映画の意外性とくらべるとすこし劣りますかね)、関係者いろいろ殺されたり逮捕されたりしてて、遺産は結局誰のものになるんですかね?
誰か見たことがある人で、そういうのにくわしい人がいたら教えてください。
ウィルフリッド卿がいちおう管財人とかになるのかなあ。
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