砂手紙のなりゆきブログ

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トラウマ持ちがトラウマ克服するハーレムアニメネタって素人でも書けそうだよね

 物語の基本は多分、こんな感じです。
Aがいる
aという状況である
Bがいる
bという行為をする
Aが変化する
 で、発端の「Aの状況」に関して、過去にこんなことがあったからこういう風だ、みたいなのはできるだけ避けてみたいと思います。
 たとえば、Aは放射能が怖くて仕方なくて福島の農産物が食べられないんだけど…あー、やめたほうがいいかなこういうネタ…山岡(仮名)がやってきておいしい桃を食べさせて「これからは福島を応援するぞ!」みたいな話があったとしましょう。
 その場合、どうしてAは放射能(正式には放射性物質ですかね)が怖いのか、設定やはりしちゃうし(子供の頃にゴジラを見たとか、チェルノブイリの怪しげな写真見たとか、ね)、それを主人公(B)がそのトラウマ何とかする、みたいにしたくなるよね。
 ぼくが知ってる限りその方法で成功しているのは麻枝准ぐらいしか思いつきません。なんかこう、ギターコード3つぐらいで曲作れ、みたいなレベルの難しさだと思う。
 キャラの過去トラウマは「どうやったら話が作れるようになるか」の足かせですね。
 たとえば、Aが猫舌だとしましょう。なんでAが猫舌なのか、過去に何かあって猫舌になった、ってことはないですよね? 7代前のご先祖が猫を殺したたたりだとか?
 ところがここで「過去に猫舌のためこんなことがあった」みたいな過去トラウマつけちゃうっての、やりそうなんだな、人間の心理として。
 物語の基本は「前向いて走れ」だと思うので、猫舌の子が出てくる話だったらたとえば「猫舌なのを隠すためにあれこれやる話(ただし属性に対する差別は避けましょう)」にして欲しいのだった。
 ビリー・ワイルダーが脚本書くなら絶対そうするね。
 新人漫画家の持ち込み原稿に編集者が「なんでこの子、この主人公が好きなの? どういう風にしてそういう性格になったの?」って聞かれたら、新人がビリー・ワイルダーだった場合には「人を好きになるのに理由なんかいるんですか?」って聞き返す。