砂手紙のなりゆきブログ

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文学業界における「第三の新人」は映画『第三の男』が起源

 ちょっとこの件に関しては調査中です。。
 ニーチェの超人思想が当時のフランスの新聞小説に由来している、というグラムシの説(これについても語ると長くなるんで、ネットで「宗教の物語性」ってテキスト探すか、グラムシ著作集をお読みください)よりは本当。
 まず、世間の一般常識として、「第三の新人」というのは、戦後日本文学において第一次戦後派(代表的作家は野間宏)・第二次戦後派(代表的作家は大岡昇平)に続く新人作家群として山本健吉が「文學界」1953年1月号で「第三の新人」というタイトルの批評テキストを出したのが元祖ですが、これに関しては「こういう題で、本年度に現れた新人について書けとの編集部の注文である」「おほかた《第三の男》といふ映画から思いついたのであろう」と記されてあるとおり、編集部のほうがその題をつけて(編集部の誰かは不明)、おまけにそれは前年1月号の臼井吉見「第二の新人」を受けてのもの、という記述もネットで見つかるんですが、この臼井吉見のテキストが国会図書館にも見当たらない。ざっくり読んでみたい。
 映画『第三の男』の日本公開は1952年9月3日説・16日説があってはっきりしないんだけど、だいたい9月。イギリス公開も1949年8月31日説と9月3日説がある。どうすんだよこれ。
 映画関係の資料は子引き・孫引きが多すぎるんで、当時の新聞の映画広告欄を確認するのが一番よさそう。
 「無名または変名の著作物の著作権」は公表後50年ということなんで、それ以前の新聞、国会図書館が公開してくれないかな。
 匿名座談会の類も公表後50年ですか。