砂手紙のなりゆきブログ

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外国人のためにわかりやすく話す源氏物語・浮舟の話

 源氏物語は日本に千年以上前から存在する、当時の宮廷の男女を描いた物語で、学者の父を持ち高級メイドとして生きた、小生意気な女官紫式部によって書かれました。物語の主役は高貴な血筋で美貌のプレイボーイだった光源氏という人物で、その死後は彼の血を引くことになっている薫の君および匂宮の話になって、全54帖のうち最後の10帖は「宇治十帖」という名前で呼ばれています。
 薫の君は光源氏の二番目の正妻である女三宮の子で、長男は最初の正妻・葵の上の子の夕霧という真面目一筋の男でした。あと上に光源氏が一時都落ちして明石にいたときの愛人であった明石の方の子である明石の姫君という女性もいて、この人は光源氏の正妻格だった葵の上の養女として育てられ、東宮(後の今上帝)と結婚して三男一女を産みます。
 その中の三男(第三皇子)が匂宮として、薫の君のライバルとなるわけですが、薫の君の実の父親は柏木という、頭の中将という男の長男です。頭の中将は葵の上と母を同じくする兄妹で、二人の父は藤原左大臣家の棟梁(通称左大臣)です。
 浮舟は今上帝の祖父・桐壺帝の子供であった第八皇子(宇治八の宮)と、その女房・中将の君との間に生まれた子供です。異母姉として正妻(北の方)が母親の宇治の大君・中君がおり、宇治の大君は薫の君に愛されました。浮舟は常陸介と再婚した中将の君と一緒に陸奥に生き、そこで育ちました。
 整理すると、
1・薫の君は光源氏の子ということになってるけど、実は彼の血の繋がらない甥の子供(妻のきょうだいの子供の子供)
2・匂宮は光源氏の娘の子供(孫)
3・浮舟は光源氏の姪(兄弟の子供)
 まださっぱりわからない。要するに外国人どころか日本人でもわからない。
 映画『源氏物語 浮舟』(1957年)ではこの3人を長谷川一夫市川雷蔵山本富士子が演じます。
 映画評価としては珍品としか言いようがないんですが、市川雷蔵市川雷蔵的なエロ担当悪役を演じています。