砂手紙のなりゆきブログ

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被写界深度の浅い画像と深い画像でウェス・アンダーソンの映画を考える(天才マックスの世界)

 被写界深度というのは、ピントが合っているように見える部分がどのくらいあるか、という意味で、これが「深い」と奥までくっきりの絵になり、「浅い」と遠くがぼんやりで手前がくっきり(もしくはその逆)の絵になります。
 たいていの映画は、会話シーンで背景があんまりくっきりしすぎると集中できないんで、技術的にくっきりさせることができる場合でも原則としてぼんやり見えるようにしてます。アメリカのテレビドラマなんかは明らかにそう。
 前に紹介した画像で、浅い例を示すと、『たまゆら~もあぐれっしぶ~』のお父さんが撮った写真です。いくら昔のカメラでも、プロが撮ったらここまで背景が分からないようにはならないので、お父さんの意図的な演出だと思う。

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 アニメは基本的にそんなに浅い画像を作ることとか考えないんですが、ウェス・アンダーソンの映画がアニメっぽいのは、アニメなみにそういうの考えてなさそうな絵が多いからかな、とか思いました。
 ときどき浅い絵があるんだけど、だいたいは深い絵でやってる。

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 アニメが被写界深度についてあまり考える必要がないのは、キャラ(人物)と背景の記号化・省略化によって、あまりややこしい絵にならないからなんだろうな。
 参考画像は『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』2話からですが、最近のアニメは情報量が多いのでけっこう浅い画像にしているのもあります。

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