砂手紙のなりゆきブログ

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アニメ『神無月の巫女』とクロスカッティング

 アニメ『神無月の巫女』(2004年)は、月の巫女である姫宮千歌音と日の巫女である来栖川姫子が主に悪い人たちと戦う、神話だかロボットアニメだかわからないけど、とにかく千歌音が姫子のことを好きでしょうがなくで、姫子がどうしたらいいのかな、って聞いてるアニメで、なんというか普通の人は別に見なくても問題ないレベルのアニメです。設定とか脇役とかがとても無駄になっているんで、2クールぐらいでやってたらもう少し評価あがるんじゃないかな。
 ただ、最近のアニメは「ある人物が何かをしているときに、別の人物が何をしているか」という視点問題を巧妙に回避して、擬似一人称視点で話を進めるのが多い気がするんですが、この話は一応姫子視点ではありますが、千歌音視点で話が進む部分もけっこう多くて、第7話では別々の場所で二人が戦う演出を見せてくれます。なんかそういうアニメあまり記憶にないんだけど、他にありますかね。同じ戦闘シーンを複数の視点で描くというのはけっこうあるんですけど。
 実写ではこういうの、シナリオとして書くのは高度な技術がいりすぎるんで、大抵は編集で細かくカット割りしてつなげる、ということになっています。
 こういうクロスカッティングの技法が駆使された映画としてはオーソン・ウェルズの『黒い罠』(1958年)が有名らしいですが、プロデューサーには不評で、初公開の段階ではもう少しわかりやすく編集されたものが使われたそうです。そちらのほうはまだ見てない。
 ミュージカルで男女が別々の場所で歌うのを繋げるのはクロスカッティングになるんですかねえ。