砂手紙のなりゆきブログ

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役者は映画撮影では勉強しない

 役者(俳優)は、監督に言われたらどんな演技でもできるようにしておくのが勉強で、それは普段の人間観察とか模倣といった練習によって身につきます。
 映画監督は、そういう役者を使って、自分の映画を作ります。
 だから、映画撮影で役者が学習することは、「この監督はこの役をどういう風にやってもらいたいか」ということで、「こういう風に演じたらこの役になる」というところまで演技の指導は、普通は監督はしない。
 漫画原稿の絵コンテを編集者が描いたりしないのと同じです。
 だから、映画撮影終了後の、監督に対する役者の挨拶が「勉強させていただきました」だったら、それは「あなたの撮影にはついていけないので、もう二度と呼ばないでください」の意味。
 ただ、映画の宣伝として松山ケンイチがインタビューで「勉強になりました」って言ってる映画があるんだけど、そりゃ木村大作監督の映画だったら勉強にならないわけがないので、監督以外の誰かには言うだろう。映画は『春を背負って』(2014年)です。
 あと、クランクアップ時の「お疲れさまでした」というのも、普通は役者は監督には言わない。カメラマンとそのスタッフには言うかもしれない。
 撮影が終了しても、そこから編集と宣伝の、ひと月~数か月はかかる大変な作業が残っています。
 クランクアップ時の役者の挨拶は、「ありがとうございました」ですかね。
 でもって、スタッフたちが役者に「お疲れさまでした」と挨拶する。役者の仕事はそこで終わりですから。