砂手紙のなりゆきブログ

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歴代のミステリ・マガジン編集長で植草甚一を嫌っていたのは常盤新平と各務三郎

 植草甚一は本と映画とモダンジャズが好きな明治生まれのライターで、1970年代に晶文社から過去に書かれたものがまとまって本になって、謎のブームを生み、ある世代以上の人間にはそれなりに知られていて、1980年代を迎えることのないまま亡くなり、21世紀には若島正に「本当にこの人、くだらない本ばかり読んでるな(呆)」と罵倒されました。
 植草甚一のブームを支えていたのは晶文社と平凡出版(現マガジンハウス)と英語が読めない若者で、英語が読めてそれを商売にしていた(要するに翻訳本を売りたがっていた)人には、あの人と話をすると何か売れないもの押しつけられちゃうから、ということでさんざんでした。具体的には早川書房ミステリ・マガジンの編集長だった常盤新平と太田博(各務三郎)です。
 そう言えば『こんなコラムばかり新聞や雑誌に書いていた』がちくま文庫から出たのは、晶文社の本が出てからちょうど40年後の2014年だった。
 ウィキペディアによると、当時の蔵書は4万冊って書いてあるけど、なんか思ってたより少ない。その10倍ぐらい持ってたのかと思ってた。