砂手紙のなりゆきブログ

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頭のおかしい人の演じかたはふた通りしかない

 まず、何かが過剰な形で演じる。これは舞台ではよくあります。
 次に、何かが過剰に少ない形で演じる。これは映画におけるクローズアップ(細かなところまで見せる手法)と、「何を考えているかわからない人物を出しても、音楽と演出(編集)で暗示的にその人物を表現できる」という面の進化で可能になりました。
 この、「何を考えているかわからない人物」というのが、演劇の技法を取り入れたアクターズ・スタジオの役者の演技とは相容れないもので、全盛期のロバート・デ・ニーロなんか、キャラ設定作りすぎてて、今見るとシリアスな映画でもコメディと紙一重な感じになります。
 ビデオとユーチューブの時代になって、過去の映画をたやすく鑑賞できるようになると、逆に監督のほうは「何かを過剰に演じているキャラクター」を出してみたくなりますが、そういう撮り方をして成功している若手の監督というのがどうも思い当たらない。
 比較的頑張ってるのがクリストファー・ノーランかなあ。