砂手紙のなりゆきブログ

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エルモア・レナードの小説十戒

 そのセンスとストーリーテリングで1980年代の日米ミステリー業界を唖然とさせたエルモア・レナードは、2001年7月16日のニューヨーク・タイムズで「小説十戒(10 Rules for Good Writing)」というものを披露しました。
 全文は「Easy on the Adverbs, Exclamation Points and Especially Hooptedoodle」で検索すると元記事の本文を知ることができますが(いい時代になったものです)、短い説明に関する部分を省略して、適当に翻訳します。

1・Never open a book with weather.
  (天気で話をはじめるな)
2・Avoid prologues.
  (プロローグはいらない)
3・Never use a verb other than "said" to carry dialogue.
  (会話部分に「と言った」以外の動詞を使うな)
4・Never use an adverb to modify the verb "said"…he admonished gravely.
  (「と言った」という動詞に副詞をつけるな…と彼は重々しく訓戒した)※最後のところはシャレです
5・Keep your exclamation points under control. You are allowed no more than two or three per 100,000 words of prose.
  (「!」は無駄撃ちするな。10万語に2つか3つあればよし)
6・Never use the words "suddenly" or "all hell broke loose."
  (「突然」と「てんやわんや」という言葉を使うな)
7・Use regional dialect, patois, sparingly.
 (方言や訛りを控えめに使え)
8・Avoid detailed descriptions of characters.
 (キャラクターの細かい描写は避けろ)
9・Don't go into great detail describing places and things.
 (場所や事物を細かく描写するな)
10・Try to leave out the part that readers tend to skip.
 (読み手が飛ばして読む傾向にある部分は抜かすようにしろ)

 これで小説を書くと映画の脚本か、あるいはエルモア・レナードが書いた小説みたいになってしまうので、どうも万人向けの十戒になってるようには思えないんですが、個人的には参考になりました。