砂手紙のなりゆきブログ

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映画『シルミド』と完全数

 韓国の映画『シルミド』(2003年)は、1968年、北朝鮮と韓国が緊張状態にあった中で、死刑囚その他を集めた、よりすぐりの精鋭部隊によって金正日の首を取ろうとするけど、土壇場で中止命令が出て、やけくそになった男たちが反乱を起こして、正規兵を殺して大統領に直訴しに行くんだけどみんな死ぬという、大変わかりやすい映画です。
 わかりにくいのは、その秘密部隊(684部隊)に所属する31人の顔と名前で、映画を見る限りでは最後のバスジャックして、瀕死の状態で名前をみんなが書き残すところまで行っても、誰が誰だかわからない。
 実写映画で顔の見分けがつかないのはよくあることで、この映画もメインの数人を覚えておけば問題なく楽しめる。
 31人の部隊は、訓練中にひとり死に、中止命令後にもううんざりしたふたりが脱走失敗して死んで、28人という完全数でシルミ島(シルミド)を抜けだして、途中の撃ち合いで何人かが死にます。
 ハリウッド映画的な設定と音楽のとんでもなさと、必死でがんばる東洋人が出てくる半世紀前の日本映画的な役者の奮闘努力がなかなか素晴らしいのでした。
 あと、女性がひとりも出てこない(主人公が死刑判決をくだされるときに、その母親がいるところと、バスの乗客ぐらい?)のも、この手の映画の中で評価したいところ。

 本日は545文字です。