2006年に作られた、2017年設定のアニメ(LEMON ANGEL PROJECT)
アニメ『LEMON ANGEL PROJECT』は、2006年1月から3月に放映された、2017年11月にデビューするという設定になっている6人のアイドルグループを描いた話です。その時代に考えられた未来なので、今となってはごく普通のものに思われているものが存在しない、もしくは一般的になっていないのが面白いうえ、なんか今見ると『アイドルマスター シンデレラガールズ』(2015年)のメタ解釈みたいに思える不思議なアニメです。OPで階段登るし。
その時代に何がほぼなかったかというと、こんな感じ。
・YouTube(2005年2月15日に細々と開業)
・AKB48(2005年12月8日に誕生で、あることはあった)
・アニメのほうの涼宮ハルヒ(『涼宮ハルヒの憂鬱』が2006年4月から7月に放映)
・ニコニコ動画(2006年12月12日に設立)
・iPhone(2007年1月9日に初代発表。日本発売は2008年7月11日)
・初音ミク(2007年8月31日発売)
要するに、素人や二次元が歌って踊ったりするのを発表する場と道具がなかった。スマホもタブレットもほぼなかったんだけど、アニメの中では壁に固定のテレビ電話はある。携帯端末は折りたたみ。
このアニメも歌ったりはするんだけど、今となっては当たり前のフォーメーション・チェンジをCGで見せる、なんてことはない。ただし作中曲はけっこういいです。「エボリューション」とかね。
ちなみにゲームの『THE IDOLM@STER』は2005年7月26日にすでにあって、『LEMON ANGEL PROJECT』の登場人物の一人の名前が結城早夜(旧芸名は星井やよい)で、性格は全然違うけど高槻やよいに似た外見で、さらに仙堂春香っていう名前のオーディションに落ちる子がいるのは、もうこのアニメ放映時点で何かのメタ構造になっているんだろうか、とも思った。
こういう、CDでメジャーデビュー&渋谷の交差点のでかい街頭ビジョン(デジタルサイネージ)で広告&うさんくさいプロデューサーというのはいつごろまで普通の文化だったんだろうなあ。最近だと映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』が2013年の設定になっているけど、漫画の原作は2009年からなんで、どうも感覚がわからない。
アニメ&漫画のほうの『NANA』は、バンドのBLACK STONESが紅白に出たという設定になってるのは2001年なんで、まあこれくらいの近過去ならわからなくもないですな。