砂手紙のなりゆきブログ

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一人称が「おれ」の『ロング・グッドバイ』が読みたい(レイモンド・チャンドラー)

 実はレイモンド・チャンドラーは、1959年に亡くなってますので、作品はパブリック・ドメインという扱いになっています。要するに、誰がどのように翻訳してもいい。おれが日本語で翻訳してもいい。
 1963年までに亡くなった人はだいたいそういう扱いです。
 そういう作家はほかにも、フォークナー、ヘミングウェイフィッツジェラルド、ハメットなどがいます。つまりだいたい、村上春樹が訳しているようなものは別に違う誰かが勝手に翻訳しても問題はない。
 ということで、誰か『ロング・グッドバイ』をウェブで新しく翻訳してくれる人、いないかなあ。いなかったらおれがやっちゃうよ? 一人称は当然「おれ」です。
 あるいは、さらに優雅で感傷的に、「ぼく(僕)」という一人称で訳してみるとか、さ。
 ただ、自分(ああ、この一人称は落ちつくのです)が訳すと、まずタイトルの「音」がうまく日本語にならない。
 つまり「ロング」だと「オ」の音、「グッドバイ」だと「ウ」「ア」の音を入れて訳したくなるんだけど、無理なんですね。「ながい・おわかれ」だと、「おわかれ」のほうに「ア」の音があるんだけど、「オ」の音がある、「長い」の類義語で、一般的に使われてる語が思いつかない。比較的近いのは「遠い」だろうけど、それは誤訳すれすれ。
 無理して日本語にするなら、『遠いさよなら(さよなら)』ですかね。
 この、日本語の「音」に関する話は、今月は少し続くかもしれないのです。
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