砂手紙のなりゆきブログ

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映画『ジャガーノート』で納得できないところ4つ

(以下ネタバラあるので注意)
 映画『ジャガーノート』(1974年)は、爆弾が仕掛けられた客船を扱ったパニック映画で、世間的には「青と赤のコードのどちらを切れば爆発しないか」という奴の元ネタということになっています。
 で、これはネットで拾ったんですが(知恵袋というところ。2017/2/100:55:38、gugyannさんという人)、くわしいことはあちらを見てください。このブログでは要約して自分のテキストっぽくしてみます。
 まず、船には複数の爆弾が仕掛けられており、爆弾処理班のチームがそれぞれの爆弾の場所に行って、いろいろあって、捕まえられた犯人は処理班の隊長と昔なじみで、隊長は犯人に無線連絡で「赤と青の、どちらを切ればいい?」と聞きます(チーム全員がそのやりとりを聞いています)。間違ったほうを切ると爆死です。
 そして犯人は青だ、と言うんだけど、隊長はいろいろ考えて、赤のコードを切ります。そして、爆弾が爆発しないのを確認して、チーム全員に「赤を切れ」と言います。
 でもこれ、変ですよね。
 隊長は、赤のコードを切るときに、実は無言で切ってるんです。つまり、切ってからメンバーに連絡します。それまでは逐一、みんなに○○しろ、○○した、って、進行状況をチェックして、同じ行動を複数の爆弾処理としてやらせてるのに。
 もうすこしわかりやすくすると、犯人が言ったことはメンバーに共有されていて、隊長がやったことは共有されてない。
 つまり、赤のコードを切ると爆発するように作られていて、青が安全だったとしたら(犯人の言うことが本当だったとしたら)、爆死した隊長によってメンバーがわかることは、あっ、青のコードを切ったらダメなんだな、と思うはずです。そして赤いコードを一斉に切って全員爆死。
 つまりこれは、うまいこといったからいいんだけど、なんで隊長はこうメンバーに言ってから切らないんでしょうかね。
「犯人は青を切れと言っているが、おれは赤を切る」って。
 そうすれば、間違ってても死ぬのは隊長だけなんです。
 というのが、知恵袋の中で語られた、納得できない演出です。
 自分の疑問は、どの爆弾も同じ構造にしなくてもいいんじゃないの? ってことです。
 つまり、青と赤のコードの、どちらかを切ったら安全だという爆弾が複数あったら、いろいろ混ぜて、これは赤が危険な爆弾、これは赤が安全な爆弾、って作っておいたらどうよ、と思うのです。
 あと、隊長がどうして犯人は嘘をついているか見抜いたのか、会話のやりとりだけではさっぱりわからない、というのが3つ目の疑問。
 犯人の言うことは「隊長がきみで残念だ」「(どちらかを切れば爆発するというのは)本当だ」ぐらい。この犯人が嘘つきである、とするに十分な情報が、映画を見る側に伝わらないんですよね。
 最後に、なぜ犯人がコードに関して嘘の情報を伝えたのか。もう犯人はつかまってるんで、嘘を言う理由なんてないんです。嘘を言っても死ぬのは隊長だけで、そこまで彼を憎む理由が犯人側にあったのか。脅迫した金は逮捕されて手に入らないから、罪が重くなるだけなのに。
 それらに関する自分の合理的な解釈はこれしかありません。

 コードは赤でも青でも、どっちでも好きなほうを切れば爆弾は爆発しなくなるようにできていた。