砂手紙のなりゆきブログ

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○○の孫(○○三世)というキャラを出すときの、著作権上の留意点

 アメリカがTPPに参加しないことになったので、日本の著作権は今まで通り「著作者の死後50年」で消失だから、たとえば「明智小五郎の孫」なんてのは、著作者(江戸川乱歩)の許諾を得なくても勝手にやっていいことになっているのと同じく、海外の名探偵の孫も、著作者の死後50年で原則として無断でやれます。
 ちょっとややこしいのが「戦時加算」という、世界中で今は日本しか使っていないイレギュラーなものがあります。
 要するに、第二次大戦中の、具体的には1941年12月7日以前から1952年4月28日(サンフランシスコ講和条約)までに発表された著作物は、最大10年ちょっとだけ著作権が残ることになります(特定の国だけですが)。
 で、ダシール・ハメットは1961年に亡くなってるんですが、『マルタの鷹』(1930年)その他の代表作は戦前に書かれているので、2022年ぐらいまで著作権はあることになっています(多分)。
 レイモンド・チャンドラーは1959年に亡くなっていて、代表作『長いお別れ』(1953年)は著作権切れです。『大いなる眠り』(1939年)から『かわいい女』(1949年)までの長編5作は、2020年ぐらいまで著作権はあることになっています(多分)。
 イアン・フレミングは1964年に亡くなっていて、ジェームズ・ボンドのシリーズ第一作『カジノ・ロワイヤル』(1953年)から全部著作権切れです。
 要するに、サム・スペードの孫はうまく出せない。
 フィリップ・マーロウの孫はちょっとわからない。
 ジェームズ・ボンドの孫は出せる。ジェニー・ボンドちゃんとかね。
 ボンドの孫娘は、なんかたくさんいそうなんだよなあ。