砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

次男系(小津安二郎ほか)

 日本の古い映画を代表していることになっている4人の映画監督、小津安二郎・木下惠介・黒澤明溝口健二(異論はあるでしょうけど)の全員が長男じゃなくて、3人が次男で、2人が名前に「二」が入っているのが無駄にすごいですね。
 日本以外の国では、名前で長男・次男とかがわかる数字が入っていることってないので、海外の場合は不明ですが、日本に限ってはどうも長男が実家を継いで、次男もしくはそれ以下の男子が、実家の仕送りを受けながら映画監督を目指した、みたいなところがあるんですかね。
 助監督時代のこき使われぶりと薄給は、今のアニメ業界と大差なかったようであります。
 役者の場合はそこまで極端ではないですが、なんか長男じゃない人が多そうな気がしますね。阪東妻三郎とか、石原裕次郎とか(裕次郎は多分日本で一番有名な次男でしょうか)。
まぁそういう、名前で何番目の子供かわかるような名前のつけかたは、女子は「○子」というのと同じく、戦後には廃れてしまいました。だから今の映画監督の名前を見ても、長男なのかそれ以外なのかは不明です。
 しかし円谷英二が長男で、勝新太郎が次男ってのはイレギュラーすぎますね。どちらも本名ではないです。
 あと、長男の監督というと鈴木清順(本名清太郎)とかかな。映画の家業を継いだマキノ雅弘も長男でしたか。
 昔のヤクザ業界とちょっと似てる。国定忠治は長岡忠次郎で、清水の次郎長は山本長五郎です。黒駒勝蔵(本名小池勝蔵)も次男。長男のヤクザは、ざっくり調べた限りではいませんでした。
 映画(物語)の中でも、侠客とか流れ者は次男っぽい名前ですね。日本侠客伝の高倉健の役は、1作目は運送業で「辰巳の長吉」と長男っぽい名前ですが、あとは「藤川宗次」「緒方勇」「新三」「信太郎」「大喜多俊二」…という具合になってます。