2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧
江戸時代の商人の家では、夕方にご飯を炊いて、夜に温かいご飯とおかずで食事をして、朝は冷たいご飯を食べて働きます。 職人は、朝にご飯を炊いて、残りを弁当に入れて昼に食べて、夕方は独身の場合は外で酒と一緒に食べて、許婚者で子供のいる家庭ではもう…
アシモフのロボットが出てくる話はだいたい、ロボット工学三原則にしたがって論理的に行動する(論理的にしか行動できない)ロボットが、どういうわけか非論理的にしか見えない行動をして、その論理を見つけるというのが基本の話です(長編では例外もあるか…
ミステリー作家のほうは、最初から犯人を決めて(知っていて)物語を作るものなんでしょうが、さっぱりわからないのは、物語の登場人物(特に探偵役の人間)が、物語のどの部分で真相を知る・気がつくか、ということにするのがいいか、ということです。 3人…
ジョージ・ワシントンは、お父さんが大切にしていた桜の木を切ってしまって、正直に名乗りでたところ「お前は正直な子だな」と言って褒められました。 この話はしかし、後の時代になって作られた嘘の逸話だということが、ネット時代には知れ渡っています。 …
小谷野敦『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社、2015年)では、著者の私的感性で古今東西のミステリーを、だいたい8割ぐらい、ひどい、とけなしています。 あまり読んでて腹が立たないのは、ぼくも実はあまりミステリーが好きじゃないせいかもしれないし…
・毎日ブログを書いていても文章はうまくならない(別の修行が必要)・昔何を書いていたのか忘れていて、同じようなネタを書いたのを再発見してみたら昔のほうがよくできてた・面倒くさくなって、昔何を書いていたのか覚えていても同じことを書いてしまう・…
M子は江戸時代から続く名門財閥のお嬢様で、ハンバーガーを外で食べただけでも怒られるような家庭で、血のつながっていない義理の妹がいます。 W美はメガネが似合う几帳面な性格で、いろいろ溜まっていて、「気持ちだけでしちゃっていいなら、私だってやり…
コメディ映画とそのサブジャンルに属するミュージカルおよび普通のアニメの大半は、はじめに伏線があって、真ん中に障害になるモノがあって、最後に伏線回収をして、ハッピーエンドになるという構成に呪われています。 見はじめて10分で結末がわかるような物…
アニメ『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』(2014年)は、学園島・七重島に隠された、ドラえもんのひみつ道具みたいなものを探す物語です。 不思議な能力を持つさまざまな道具は龍ヶ嬢七々々によって宝箱に隠され、謎と迷宮を解読することによってそれを手に入れること…
花火大会でおこなわれる打ち上げ花火は、実写で撮ろうと思えば難しくないんですが、人物と合わせるのは難しいんじゃないかと思います。 だいたい21世紀でも、花火が上がって、それを見ている人をあとで撮ったのを組み合わせてやってます。 この、見ている人…
映画音楽には、その場の雰囲気を表現するムード音楽と、そのキャラの性格と、映画そのものを表現するテーマ音楽があります。 おおくのテーマ音楽は、映画に音が入れられるようになった時代にはすでにレコード(音を安価に個人対象に提供する仕組み)があった…
橋本一郎『鉄腕アトムの歌が聞こえる』(少年画報社、2015年)は、当初朝日ソノラマという会社の人間で、アニメのソノシート(安いプラスチックのレコード)を作る関係で手塚治虫と面識を持ち、オバQ音頭は特に大ヒットだった編集者で、新書判のサンコミッ…
戦後の月刊少年雑誌は、その付録の出来で競っていましたが、1954年の5月に諸般の事情で運輸省から付録の商品に金属類その他の使用制限の条件がつけられました。その制限外のものは、国鉄のほうでは雑誌としての安い運送料では扱わない、ということですね。 …
あなたの学校の校則に「ギターをプールに持ち込んではいけない」というのはありませんか。 都市伝説的には、それはギターをプールに持ち込んだ人がいたので、しょうがなく学校が作りました。多分1960年代の若大将(加山雄三)ブームのころ。 同じようなもの…
昔から普通の人間の恐怖は、犯人(容疑者)にされることでした。 異性の前では恋人、家族の中では子供、会社の中では会社員、などと人間はさまざまな状況に応じて自分の役割を演じますが、容疑者になるとそういう役割が全部取り払われる。 フリッツ・ラング…
最近は映画化・アニメ化の問題があるので、出版社と漫画家との間で出版契約が結ばれることがほとんどになりましたが、その団塊での契約は、著作物の二次利用については両者が相談の上決めることとする、という曖昧な表現になっています。要するに映画化・ア…
東海道本線は、戦後から「こだま」が走り出す1958年まで、東京と大阪の間は「つばめ」と「はと」が最高7時間半で走り、出張で東京・大阪へ行く会社員は浜松あたりで昼食を取り、午後遅くに部課長会その他社内の儀礼的な会議をやって、夜は取引先の接待、翌…
だいたい素人でもミステリーを1000冊ぐらい読めば(というと大変な量に見えますが、毎日1冊読めば3年です)、第一容疑者は犯人じゃなくて、400ページぐらいの本で100ページぐらいのところでそいつは死ぬか殺されるか、ということになるのがわかります。こ…
プロレベルのスポーツ選手に頭(のよさ)が必要なのは、ある程度以上の運動能力と熟練度がある場合に「相手が何を考えているか」で競わなければならないためで、野球の場合はだいたいキャッチャーがそれを考えることになります。 ほかの野球選手はバッターに…
将棋の先読みでは、素人ではまあ5手先ぐらいが読めればだいたい大丈夫なんじゃないかと思います。 わかりやすく言えば「おれがこう指したら相手はこう来るので、そう来たらこう返すけど、そうすると相手はこう来るだろうから、おれがこう指す」。ぜんぜんわ…
第一次安倍政権のとき、2006年12月に、戦後定められた教育基本法が大改革されました(まあ立法には内閣の構成員は関係ないんですが、一応区切りとして)。 改革の目玉は道徳教育と愛国と生涯学習ですが、はじめのふたつはともかく、最後のひとつをひとつのよ…
アニメ『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC』(2015年)は90分ほどの映画ですが、はじめの60分ほどはテレビ放映の総集編(再編集)になっています。 なにしろ240分ぐらいの話を60分ぐらいにしなければいけないので、いろいろなものが削られてい…
アニメ『蒼き鋼のアルペジオ』(2013年)は、船(軍艦)である女子たちが戦うハーレムアニメです。 第二次大戦中の軍艦を模した船は、謎の敵「霧」によって、昔から船は女である、という理屈にもとづいて、ある規模以上のものには人間の女子みたいなものが乗…
ホラーとSFは、その作品が作られた時代を背負っています。 ベルリンの壁が崩壊してもう4分の1世紀ぐらいになる今となってはなかなか信じられないことですが、1950年代には核戦争の恐怖を題材にした映画と小説がよく作られました。具体的には『渚にて』(…
映画・アニメの音響で一番面倒くさいのは足音です。 アニメの場合は、まず靴を合わせる(ハイヒールとスニーカーでは違います)。 次に、下を合わせる(地面とコンクリートと学校の廊下と自宅の廊下では違います)。 さらに、自然を合わせる(天候で違うのは…
1960年代の映画の、いかにも嘘っぽい、映画っぽいハリウッド映画がどうもぼくは好きみたいで、多分これは東映時代劇が好きなのと同じ心理です。 いかにもスクリーン合成な背景、スタントマンにしか見えないスタントマン、あとからまとめて撮ったような顔のア…
いくら男たちの話とはいえ、刑務所を舞台にした映画を例外とすれば、たいていの映画には一応女性も出てきます。 そこに出てくる女性は、あまり美人すぎたりブサイクすぎたりすると話に集中できないので、適度の普通さが求められます。 ぼくの記憶では、『ス…
サイレント時代から映画監督やっている人の映画は、今見てみるとうるさくてしかたないのです。 あれは多分、劇場でずっと生音楽流してたせいなんだろうな。音(音楽)がない状態の映画は映画じゃない、みたいな感じ。 効果音・自然音はともかく、映画音楽は…
1980年代のはじめ、世界各国は深刻な財政難におちいっていました。 第二次オイルショックと冷戦の継続(による軍事費負担)、社会保障費の増大に耐えかねたイギリスのマーガレット・サッチャー、アメリカのロナルド・レーガン、日本の中曽根康弘は、国の負担…
ファーストガンダムはナレーションではじまる物語です。 物語は語り手をとりあえず置いてはじまる場合もけっこうあって、このナレーションの語り手は歴史学者のように一年戦争を語ります。 気になるのは「見ればわかるだろ」ということを語って、語ってほし…