2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧
植草甚一は本と映画とモダンジャズが好きな明治生まれのライターで、1970年代に晶文社から過去に書かれたものがまとまって本になって、謎のブームを生み、ある世代以上の人間にはそれなりに知られていて、1980年代を迎えることのないまま亡くなり、21世紀に…
もうぼくはすでにペイパーバックなんて読まない人になっちゃいましたが、英語に限らず横書きで左側が綴じてある本ってあるじゃないですか。数学とか理科系の本。っていうか、縦書きの(右綴じの)本って、学校の教科書だと国語・古文の本ぐらいですよね。 横…
ナボコフ『絶望』(1934年)の小説的に特異な事情は、この物語の語り手が「ヘタな作者」であり、そのことを作者が自覚していない、という風に本当の作者(ナボコフ)が書かないといけない、という点にあります。 つまり、この小説を読んで「うまいな」と感じ…
まあだいたいビブリオバトルのやりかたってのは決まってるんで、それに準じます。 全13話で、2話ずつで1試合やって、最後の回だけは最終決戦。 1話で1人あたり5分で本の紹介と参加者とのトークが1~2分だから、3人分。 5~6話は会場を海(は三郷市…
流山市と川を隔てて隣にある三郷市は「日本一の読書のまち」と根拠もなく吹きやがっていやがる町(市)です。 市役所の公式サイトでは「平成25年3月18日三郷市議会の議決を経て「日本一の読書のまち」を宣言しました」とあるんで、まあ宣言するだけならどう…
こないだ、いろいろなところの書類にサインしたら(と言っても、初診の問診票みたいな奴ですけどね)、出された筆記用具が全部ジェットストリームなのには驚いた。 まあ確かに書きやすいですけどね、このボールペン。油性ボールペンなんだけど水性ボールペン…
原子力基本法から。『(目的)第一条 この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに…
1984年のマサチューセッツ州、エロっぽい数学教師に誘惑されてせっせとセックスしたのがバレた中学生ドニー・バーガー(主人公)は、おれたちがやりたいことを本当にやってくれた男として一躍有名になるが、それもつかのまのことで、あとは転落の人生。税金…
映画『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』(2012年)はアダム・サンドラーが製作総指揮をしてて、どうも体重が安定していないケヴィン・ジェームズが42歳の高校の生物の先生役で出演し、資金不足で音楽の先生がクビになりそうなところを、格闘技で金を稼ぐとい…
デニス・デューガンはアダム・サンドラーが出演する映画を撮りまくり、ハッピー・マディソン・プロダクションという映画製作会社の顔で、2011年作品は『ウソツキは結婚のはじまり』『ジャックとジル』の両作品でゴールデンラズベリー賞の最低監督賞を受賞し…
鏡明というSF関係者がいます。 平井和正のウルフガイシリーズ、犬神明の名前の由来になっていて、日本最初のラノベ『超革命的中学生集団』(1970年)で実名のモデルにされてて、雑誌「本の雑誌」で延々と連載をしている人。ハヤカワ文庫のコナンも翻訳して…
この二人の映画では、ぼくは『ズーランダー』(2001年)と『エージェント・ゾーハン』(2008年)が好きです。どちらも信じられないぐらいステキなバカ映画なのでおすすめ。 この二人にウィル・フェレルを足して、だいたい三バカトリオ的に考えてたんですが(…
SF作家であるアーサー・C・クラークによる三法則は、その中の第三法則だけが抜群に有名です。・充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。 そのほかの第一・第二法則は以下のとおりです。・高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その…
そもそも多元宇宙論がSFに組み込まれてタイムパラドックス処理として使われるようになったのは、ジャック・ウィリアムスン『航時軍団』(1938年)が最初のもののようであります。 これは未来が2つある、という話なんですが、それはn個の未来にしてもいい…
もう少しアニメ『それが声優!』(2015年)のOPだけに集中して話します。 この話のヒロインは、イバラの道を逃げないメガネの一ノ双葉(いちのせふたば)、キャラ作ってるけど本当は頑張り屋さんの萌咲いちご(もえさきいちご)、キャリアは10年だけど15歳…
だいたい新しくはじまったアニメは、放映中に見ることはあまりないんですが、『それが声優!』(2015年)は見ています。 個人的に気になるのは、どうもヒロインの女子3人のうち、一番若いんだけどキャリアがある設定の小花鈴(こはなりん)の、台本を持つ手…
アニメ『のんのんびより』(2013年)は田舎で生活する子どもたちを中心にしたのんきなアニメです。 登場人物は、学校の中では越谷小鞠が中学二年生で一番年上(その上に存在感の薄い兄がいますがまあどうでもいい)。一番下が宮内れんげで小学一年生です。 …
映画とアニメでなんとなく、流山市というのは千葉県の北のほうで、松戸と野田の間ぐらいにあるんだろうなあ、と思ってたんですが、Googleマップで見てみたら、そんなことより隣接している柏市との境界がものすごく変なことになってるので困った。 地方都市で…
映画『ツーリスト』(2010年)は以下の点でヒッチコックっぽいのです。・主人公が巻き込まれ型・列車(鉄道)・手錠のまま逃げる・警察は信用できない・変な留置場・変なアップ(殺しのナイフ)・観光名所(この映画の場合はベネチア)・音楽がうさんくさい…
その古い図書室には「愛」からはじまり「笑い」で終わる、一連の物語に関する研究者の書物が存在していた。 …というのはスタニスワフ・レム『ソラリス』(1961年)におけるソラリス学の劣化コピーテキストですが…「悪者(わるもの)」で終わっていたほうがい…
桂千穂の『カルトムービー 本当に面白い日本映画』1945-1980と、1981-2013(2014年、メディアックス)を引き続きパラパラと見ています。 映画は個人的な体験であると同時に、その体験よりも内容に関して重視して語らないと、なかなか人にうまくその映画の面…
アニメ『それが声優』(2015年)では、声優たちを主人公にした物語ですが、話の中で音響監督に「そこは巨乳の声でやって」と言われて当惑する、あまり大きい胸ではないヒロインの萌咲いちごが当惑しながらなんとかしてみます。 しかし実際の、その役を演じる…
役者(俳優)は、監督に言われたらどんな演技でもできるようにしておくのが勉強で、それは普段の人間観察とか模倣といった練習によって身につきます。 映画監督は、そういう役者を使って、自分の映画を作ります。 だから、映画撮影で役者が学習することは、…
書店の映画の本の新刊コーナーに川本三郎の本が置いてあったときのがっかり率は異常。 普通の映画の本を出す人の3倍ぐらいの早さで、毎度毎度同じような本を出しているんではないだろうか。 まあ、ぼくの知らないところで需要があるんだろうなあ。 昔の映画…
映画『複製された男』は2013年のカナダ映画ですが、自分と瓜二つの男が映画俳優をやっているのに気がついた大学の講師が、その男と会ってダブル不倫するという、わりとどうでもいい内容に「蜘蛛」という記号が冒頭とラストにからんで、「なんか見たような気…
ワイプ(右もしくは左側の画面から場面転換していく技法)をしょっちゅう使った映画監督としては黒澤明が有名です。 もう、黒澤明というとワイプしか出てこない。 映画の技法としては古いもので、今は「なんか少し古くさく作ってみよう」と思ったときに(多…
落語「大山詣り」は、ご存知の通りお詣りで暴れた男が丸坊主にされてしまい、一足先に長屋へ帰って(上方ばなしでは「村のお伊勢参り」という設定だったかな)、他のみんなが海でみんな溺れ死んだと嘘をついて、長屋のかみさんを丸坊主にしてしまって、「み…
アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(1991年)、『鋼鉄天使くるみ』(1999年)、だいぶ間置いて『蒼き鋼のアルペジオ』(2013年) 一応『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』はガンダムと同じサンライズだし、『鋼鉄天使…
田中康夫『たまらなく、アーベイン』は1984年の4月に中央公論社から出版された本ですが、2015年の5月に再刊されました。中身は当時の恋愛と車とAOR事情に関した本なので、そういうのに興味がある人もない人も、というかその時代をもはや知らない人にも多分…
雨の話には3つのパターンがあります。 雨が降りはじめる話と、雨があがる話と、雨が降り続ける話です。 それに、話の中で雨が降りはじめて、途中で雨があがる話、話のはじめで雨がやんで、話の終わりで雨が降りはじめる話を入れると5パターン。 一番大変な…