砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

山田洋次監督が寅さんを撮らなかった夏にどんな映画を撮ってたか(タイトルだけ)

山田洋次監督は渥美清がヘバるまで毎年夏と年末に「男はつらいよ」シリーズを撮りつづけた人ですが(その合間に『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)とかも撮っています)、1986年と1988年の夏は、寅さんを見たいと思っていた観客に違う映画を見せることにな…

そのときはいい考えだと思ったサボテン

メキシコの砂漠に、とあるサボテンが自生しています。 近くを通る旅人は、そのサボテンを見ると色と形が気になることになります。 はじめは指先でちょっとトゲなどに触れてみますが…あまり痛くない。 次に片手でぎゅっと握ってみると…少し痛いけど、我慢でき…

日本のアニメの歴史と世界のロックの歴史を重ねるとだいたい合ってる(1980年代まで・暫定版)

ロックの起源は難しいんですが、エルヴィス・プレスリーが「ハートブレイク・ホテル」を出したのが1956年で、だいたいこれが東映動画(現東映アニメーション)です。1957年創立で、1958年に長編第一作『白蛇伝』を公開。 ビートルズが「プリーズ・プリーズ・…

中学の理科教師・城戸誠が東海村の原発を強襲してプルトニウムを盗んだのは何年何月何日?(太陽を盗んだ男)

映画『太陽を盗んだ男』は1979年に公開された長谷川和彦監督の映画で、日本映画を語るときにはとりあえず『幕末太陽傳』(1957年)と『けんかえれじい』(1966年)とこの映画を知っておけばいいぐらいの名作カルト映画です。 話の内容は、中学で理科を教えて…

あまり役に立たないMARC(機械可読目録)の歴史

本をどのように整理し、利用者が使いやすいようにするか、に関しては、書籍分類法みたいなものが昔からあって、図書館の中の人がめいめいのルールで自分の図書館の中の本だけは使いやすくなるように、手書きのカードみたいなものを作っていた時代が100年ぐら…

夏になると見たくなるアニメ『絶対少年』の異常な演出

アニメ『絶対少年』(2005年)田菜編は、田菜という田舎で夏を過ごす少年・逢沢歩(あいざわあゆむ)とその仲間の、宇宙人(というか謎の飛行体)と出会う夏の、セミの鳴き声と音楽が耳に残る、ぼくの感覚としては「こんなアニメの演出見たことない!」って…

MGMとサミュエル・ゴールドウィン

映画プロデューサーのサミュエル・ゴールドウィンは、はじめイギリスで金魚売りをしていましたが、その後アメリカに渡って手袋売りで成功して社交界のセンスを身につけました。帽子とか馬具とか手袋というのはアメリカでも上流階級の人が買うものなので、新…

利用する人から金を取らないで、宣伝したい人から金を取る仕組みの起源

世界最初の公開(公共)ラジオ放送は1906年12月24日、元エジソンの会社にいたエンジニアだったレジナルド・フェッセンデンによってはじまりました。 しかし仕組み的に不思議なのは、「無料で放送して、広告主から金を取る」というラジオの発想で、そりゃ無料…

夏の勉強

ぼくの記憶の中で最も暑かった夏は大学に入るための勉強をしていたときの夏でした。当時は家に帰ると午後7時ぐらいに寝て、夜中に起きて朝までいろいろするという早朝学習で、基本的に教科書の丸暗記でした。英語は学校のテストは試験範囲の章を、綴りまで…

1975年にあった山田宏一と南部圭之助の論争って何?(調査中)

山田宏一は次のように『映画は語る』(1999年、中央公論新社)で語っています。P480『(淀川長治氏とはじめてお話をした)それから二年後の一九七五年、私はつまらぬことで、戦前からの映画評論家の大長老だった南部圭之助大先生の逆鱗に触れ、どなられ、い…

『映画は語る』(淀川長治+山田宏一)の中でよくわからないところ

淀川長治と山田宏一の対談集、というよりほとんど淀川長治に山田宏一が話を聞いている(ときどき、たぶん山田宏一が資料を見ながら淀川さんの話を補足している)本『映画は語る』(1999年、中央公論新社)を読みました。 驚異の記憶力と絶妙の語り口で、見た…

ゆるく募集・胸が大きい子でも似合う女子の高校の制服(夏服)(ガッチャマン クラウズ)

アニメ『ガッチャマンクラウズ』(2013年)は21世紀風にリブートしたガッチャマンのアニメということになってますが、見ているととりあえずガッチャマンの名前だけ使ってくれれば何をしてもいいから、ってスタッフが言われて企画書を仕様変更したようなアニ…

丁半博打の確率に関する長屋のみなさんの意見

与太郎「丁は2、4、6、8、10、12の6種類だけど、半は3、5、7、9、11の5種類なんで、た、多分丁にずっと張ってれば儲かるんだよな?」八五郎「何言ってやんでぇ、あいかわらず馬鹿だな。まあ半に「1」の目を入れてないだけ賢いけどな。ピンゾロの…

ヒッチコックのとんでもないミタメ(下宿人)

ヒッチコックは映画監督で、常に新しいことをやっていながら、それがあまりにもさりげないことなうえ、あらゆる映画監督に演出を模倣されたために、今見るとどうもすごい監督に見えないところがあります。彼の映画を評価するためには、同時代の映画監督がど…

マーティン・スコセッシとアルフレッド・ヒッチコック(タクシー・ドライバー)

スコセッシに対するインタビュー集『スコセッシ・オン・スコセッシ』(フィルム・アート社、2002年)で、彼は映画『タクシー・ドライバー』(1976年)について以下のようなことを言っています。P103『みんなでヒッチコックの『間違えられた男』を見て、ヘン…

魔法少女たちが夜中に仕事をするのはそのほうが魔法力キラキラしてきれいなのと、戦闘終了後に朝日をともだちと見られるから(Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ)

アニメ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』は冬木市という架空の町が舞台の話ですが、まあだいたい神戸市で、いろいろな場面に出てくる橋は神戸大橋で、橋の西側の歩道を歩くと夕日を見ることができるはずなんだけど、土地鑑がないのでさっぱりわからない…

いくら調べても本当に「戦場ヶ原ひたぎ」の「ひたぎ」の起源がわからなかった(化物語)

どうするんだよこれ。 アニメ『化物語』1話の中では羽川翼によって次のように言及されています。『ひたぎって確か土木関係の用語じゃないかったっけ』 そういうのの調べもののプロである図書館の人たちが集まっている「レファレンス共同データベース」の「…

国会図書館の「日本十進分類法(NDC)新訂9版分類基準(2010年版)」で追加された項目

NDCの一番新しいものは今のところ9版ですが、2014年中に「10版」が出る予定なので、国会図書館では2010年10月に作成された分類基準を2014年7月の段階では使っているようです。 そこで「新設」されたという記述があるものの分類項目を列挙しておきます。…

映画『警察日記』には本当に取り調べ中にカツ丼が出てくるか

映画『警察日記』(1955年)は、猪苗代湖畔の横宮という架空の町(実際には猪苗代町字川桁あたりで、川桁駅周辺が出てきます)を舞台に、田舎の警察署長やその下の人情派警官、および様々な事件にかかわる人たちを出して、当時の貧乏と再軍備について考えさ…

雑誌が廃刊になるのはその雑誌の面倒くさい関係者が退職したとき(プレイコミック)

雑誌『プレイコミック』は秋田書店が出版していた漫画雑誌で、1968年6月に創刊されましたが、2014年7月発売の9月号で休刊になりました。ざっと46年、半世紀続いたことになります。 1968年、大学卒でプレイコミックの編集部に入社した新入社員(23歳か24歳…

映画『キューティ・ブロンド』でマサチューセッツ州の法律を勉強する

映画『キューティ・ブロンド』(2001年)は、金髪のせいでボーイフレンドにフラれた女子エル・ウッズ(リース・ウィザースプーン)が勉強してハーバードの法科大学院(ロー・スクール)に入って頑張るというポジティブな話です。 女子力がマックスな彼女は、…

1980年代はじめの神戸市立図書館で誰にも読まれなかった作家

『本をどう選ぶか 公立図書館の蔵書構成』(伊藤昭治・山本昭和編著、日本図書館研究会、1992年)という、著者名からして昭和な時代の本を斜め読みしました。日本図書館研究会は一般的に知られている日本図書館協会とはまた別の団体で、1946年1月に作られた…

映画『二十四の瞳』の外国語音楽ヴァージョン

木下惠介『二十四の瞳』(1954年)の特典映像から、音楽担当だった木下忠司の言葉。『…小学唱歌というのは外国の民謡が沢山入っているもんですから、海外版を作ったときに外人が、なぜこんな民謡が入ってるんだ、などということになりますので、海外版では外…

映画『男はつらいよ』シリーズであのセリフってどうやって英訳されてるの?

映画『男はつらいよ』シリーズをダラダラと見ることにしました。 この映画の面白いところのひとつに、寅さん(車寅次郎)の、よくわかるようなわからないようなタンカみたいなものがあるんですが、気になるのは「そういうの英語圏の人ってどう翻訳してるの?…

敵が巨大な炎みたいな円柱出して、その回りを回りながら回避している主人公の画像ください(Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ)

アニメ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』(2013年)は、『Fate/stay night』(2004年)というゲームの中の小さい子イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを主人公にしたスピンオフの魔法少女アニメです。第1話では、イギリスからカードを回収に来…

橋本治『桃尻娘』の高校生女子的文体って今読むと完全にオカマ言葉だよね

橋本治『桃尻娘』(1978年)は日本で初めて女子の性欲について書かれた小説として著名です。この小説があったからアニメ『ヨスガノソラ』(2010年)も窪美澄の小説『ふがいない僕は空を見た』(2010年)もあったんじゃないかと思う。一応その前に『マカロニ…

伊藤典夫新訳の『華氏451度』(黄昏乙女×アムネジア)

半世紀ぶりぐらいで「火の色は美しかった」ではじまらないレイ・ブラッドベリ『華氏451度』の伊藤典夫新訳が出ました。新訳は「火を燃やすのは楽しかった」、原文だと「It was a pleasure to burn.」。「燃やすってヤバい」とか変に現代語訳すると半世紀もし…

週末はオドゥルス・ビールを飲みながらフィッシュを聞いてウィリー・メイズのサインボールを愛でよう(ピザボーイ 史上最凶のご注文)

映画『L.A. ギャング ストーリー』(2013年)というめっちゃ面白いものを見ました。これは第二次大戦後のロサンゼルスを舞台に、ギャングのボスであるミッキー・コーエンと、タフガイ刑事ジョン・オマラを中心としたロス市警の特捜班メンバーが殺しあう話で…

アメリカにおける公共図書館とその思想について(ボストン市立図書館)

活字文化の浸透・大衆化と、大衆を読者対象にした新聞・小説の普及は19世紀にいろいろなものを招きました。 1848年に一般公開された、世界最初の近代的公共図書館とされるボストン市立図書館は、「図書館とはどういうものか」について考えさせられるための素…

ホパロング・キャシディという西部劇とクリストフ・ヴィリバルト・グルック

西部劇に関する分厚い本『西部劇~サイレントから70年代まで~』(G.N.フェニン&W.K.エヴァソン、研究社出版)を読みはじめました。1962年に出版され、1973年に増補改訂されたものなので、ぼくの知っている映画はほとんどありません。 この本がどのくらい知…