砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アニメ『ピーター・パン』の中に出てくるティンカー・ベルは技術屋でなおかつフェアリーじゃなくてピクシー

ディズニーのアニメ『ピーター・パン』(1953年)に出てくる妖精のティンカー・ベルは、話の中では妖精の粉を振りまく粉製造担当みたいな扱いで、あとは人間の国から来た女の子のウエンディに焼きもち焼いたりするだけの小さい子でしたが、じつは技術系の専…

英語ができるイギリスの子は日本の高校で英語の試験ができるのか(きんいろモザイク)

英語ができるだけの子は日本語ができるとは限らないので、日本の高校での英語の試験はまぁ最高80点ぐらいな気がしてしまうのです。 この「できる」という語からして、日本人でも意味よくわからない。「ある程度の知識がある」から「人に教えられる」まで幅が…

ミステリー読むなら短編集がいいかな

映画やテレビドラマや小説などの場合は、見ながら・読みながら「あと残りがこんだけあるから、ここで出てくるのは真犯人じゃないだろう」と想像できてしまうのがこまります。べつに時計置いてるわけじゃないけど、映像関係は終わる時間が気になる。気にしな…

フィリップ・K・ディックって3人(男2人+女1人)と1人の短編多くなくない?(変種第二号)

フィリップ・K・ディックの最新短編集、とはいっても昔の奴ばかりですが、『変種第二号』を読みました。戦争(冷戦)を背景・テーマにした作品集ということで、冒頭の「たそがれの朝食」から、なんか昔読んだ記憶のあるようなないような作品ばかりで、おま…

トルストイとサルトルとトルーマンの校正の問題

いま、マイルールで過去のブログテキストを校正してるんだけど、とても面倒くさい。こまかなことは省略しますが、なるべくひらがなが多くなるような方向で調整中です。 まず、ネット上で打ちまちがいチェックと漢字・ひらがなの統一をして、プリントアウトし…

頭がぼけてきたので「書き読書」というものをはじめる

読みながらノートにメモを取るという読書のしかたをはじめました。 まず、どこにでも売っているような横書きの罫線入り無線綴じ、2冊108円ぐらいのノートを買います。 ノートのページ上部分に日付を書きます。 本文は、まず「読んでいる本の題名」を書きま…

横山秀夫『64(ロクヨン)』を読んだけど、これより別の方向で泣かせる短編知ってる

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 百田尚樹が、自分が『海賊と呼ばれた男』で2013年に本屋大賞を取ったときの2位受賞作『64(ロクヨン)』を「ここ三年の本屋大賞候補作で私が唯一の既読作品だった『64』は素晴ら…

実写でカメラが引いていく演出で「うわーっ」って感心する(大人は判ってくれない)

映画『大人は判ってくれない』(1959年)はフランソワ・トリュフォー長編初監督作品で、悪童のアントワーヌ・ドワネルが学校をサボって言い訳に「お母さんが死んだ」とか嘘ついたり、作文でバルザックを丸写しにして怒られたり、金を稼ぐためにタイプライタ…

長井龍雪監督のいちばんの傑作は『OVA とある科学の超電磁砲』(2010年)だ、とまでは言い切らないけど、どこがどのようにすごいのかちょっと説明してみる

ぼくが信頼しているアニメ監督のひとりに長井龍雪監督がいます。彼のアニメのいいところはいろいろありますが、映画ではあまりできないような演出をアニメのなかでやってくれている例として『OVA とある科学の超電磁砲』のファミレスのショットをあげてみま…

映画『情婦』(1957年)でよくわからないところ

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 映画『情婦』(1957年)はアガサ・クリスティーの短編「検察側の証人」をもとにビリー・ワイルダーが監督・脚本を手がけた法廷・裁判映画です。 舞台はイギリスで、心臓病の気が…

酒の出てくる映画(江分利満氏の優雅な生活)

山口瞳による小説『江分利満氏の優雅な生活』は、雑誌「婦人画報」1961年10月号から1962年2月号に連載され、1963年2月に文藝春秋から刊行されて、山口瞳はこれによって第48回直木賞(1962年下半期)を受賞しました。 岡本喜八監督による同題の映画が公開され…

「おしん」の起源は、おシンデレラ(坪内逍遥)

ウィキペディアには坪内逍遥の翻案によるシンデレラの物語が「おしん物語」(1900年)として国語の教科書になってる、って書いてあるんだけど、近代デジタルライブラリーでは見つかりませんでした。 いちおう「坪内博士国語読本字引. 高等科巻1,2」というの…

ディズニー映画の『白雪姫』を再見してわかったこと(こういうショット切りっていつごろできたのか知りたい)

世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』(1937年)は、おばあさんの毒りんごを食べて巨大化した白雪姫が口から火を吹いて王都を破壊しまくり、七人の小人が戦車やジェット機で攻撃しても全然歯がたたなかったところを、王子様が禁断の兵器であるオ…

人物の走るショットで「右から左」の次に「左から右」に走る絵をつなげても、そんなにイマジナリーライン越えてる、って実写の場合には思わない(二十四の瞳)

映画『二十四の瞳』は小豆島を舞台にした戦前・戦後の泣かせる話ですが、島の中のショットに関しては木下惠介監督は「北が奥」というこだわった地形にもとづく撮影をしていません。また、道路を走ったり歩いたりする人たちを描いている場面では普通に「右か…

フィリップ・K・ディックの世界観と映画とのミスマッチ性(ジャッキー・チェン)

SF作家のフィリップ・K・ディックは世界のにせもの感にこだわった人でした。要するに仮想記憶(偽装記憶)と仮想現実。世界は虚構であり、自分のこの記憶は偽装であるという設定は映画関係者の製作心をくすぐるものらしく、『ブレードランナー』(1982年…

誕生日の歌は歌えない(まよチキ!)

ダークダックスが歌う四季の歌は「どじょっこふなっこ」「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」「雪の降るまちを」ですが、「ちいさい秋みつけた」は、ダークダックスのメンバーが「秋の歌があれば四季完成するのになー」と思ってサトウハチローに頼んで作詞…

アニメ『K』とてもおもしろいんだけど、タイトルで検索がむずかしいのが損してる

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) アニメ『K』(2012年)は、パラレルワールドらしい日本の学園島にある葦中学園高校に通う平凡な高校生・伊佐那社(いさなやしろ)が、ネコと一緒に学園祭の備品買い出しに町へ出…

回転木馬と映画(エチエンヌ・ジュール・マレーとエドワード・マイブリッジ)

19世紀末まで、馬はどうやって走るのかわかっていませんでした。 正確に言うと、馬の歩きかた・走りかたにはウォーク・トロット・キャンター・ギャロップの4種類あって、このいちばん早いギャロップで、脚が4本とも宙に浮く状態というものがあるのかないの…

ジェイムズ・サーバーの短編集『虹をつかむ男』を読んだら最後のふたつの話だけ妙におもしろかった

映画『LIFE!』の公開にあわせて、だと思うけど、早川書房から『虹をつかむ男』が文庫になって出ていたので読みました。映画のほうはビデオになってから見よう。 むかし読んだ記憶はあるんだけど、すっかり話をわすれていたうえ、どうもサーバーの翻訳は「英…

アニメ『きんいろモザイク』アリス・カータレット役の田中真奈美さんのマイクの持ちかたが気になってしかたない(左きき問題)

アニメコンテンツエキスポ2013(3月30日)での、アニメ『きんいろモザイク』のメイン声優5人によるイベント(プロモーション)を見たんだけど、5人(西明日香・田中真奈美・種田梨沙・内山夕実・東山奈央)のうち田中真奈美さんだけあきらかに左ききなん…

日本は左から、アメリカは右から攻めることになっているので真珠湾攻撃の動画はすこしややこしい

前にも述べましたが、北半球の人間は「北」が「上」という地図に慣れているので(南半球の人間は知らない)、「北」を「奥」に、北面した形で知らない地形とか出されると考えがちです。つまり北=奥、南=手前、東=右、西=左。 どうも第二次大戦中の日本軍…

機関車トーマスは線路の上を左から右にうごき、きかんしゃやえもんは右から左にうごく

日本の絵本(をふくむ多くの本)は、本の右側が綴じられていて、文字が縦組みで「上から下→右から左」に読むようになっています。だから、本をひらいたときの人物・乗り物などのうごきは「右から左」にうごくようにえがかれ、『きかんしゃやえもん』(阿川弘…

ヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」は舞台のどっちがわに立ってるか、あとえらいひとはどうして舞台の右側にすわるのか

西洋の演劇は客席から人形をあやつっているように人物がうごき、日本の舞台芸は神の手で背後からあやつられているようにうごく、と解釈してます。つまり、日本の場合は「あやつってる神」が、見ているひとにとっての「左側」(神にとっての右手)で舞台のひ…

「敵は左、ヒーローは右」の法則は幼児期の体験・記憶から(パシフィック・リム)

きょうはいままでみなさんが聞いたり見たりしたことのないようなことを話します(すくなくともぼくはネット内外でこんなネタをあつかってるのは知らない)。 まず、手元に「怪獣」と「ウルトラマン」のソフビ人形を用意します。用意した、と頭の中で想像して…

ウルトラマン映画としての『パシフィック・リム』のおかしなところと、『新世紀エヴァンゲリオン』のちゃんとやってるところ

映画『パシフィック・リム』は、主人公たちが乗る巨大ロボット「イェーガー」が画面の左に大きく描かれ、戦う相手の「カイジュウ」が画面の右に描かれる絵が有名です。 また冒頭の、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジをこわすカイジュウは、画面の…

なぜ映画『ゴジラ』(1954)はこわくて、『パシフィック・リム』(2013)はそんなにこわくないか

ところでみなさんはゴジラがどちらを向いて大あばれするか覚えてますか。 ゴジラの出てくるショット順にあげてみます。1・大戸島の八幡山の稜線から顔を出す。顔は右向き。2・船の上でダンスしている人たちの前に出てくる。右向きから背中。3・東京湾にゴ…

右からくる座頭市と左からくる眠狂四郎(正義と悪)

座頭市はめくらの居合い斬りの達人で、眠狂四郎は円月殺法という剣の達人です。座頭市の時代設定は天保年間(1830年代)で、眠狂四郎は文政年間(1820年代)です。どちらも三隅研次という監督のすばらしい映像美が堪能できる作品があるシリーズです。 ただ、…

ところでみなさんは黒澤明『用心棒』の三船敏郎がどちらの方向から宿場にはいっていったかおぼえていますか

用心棒は、まずとおくの山を見てから、画面の「右から左」にあるきはじめます。冒頭のキャストのところなんですが、じつは背中を撮ってるシーンからゆっくり角度を変えて、途中で「左から右」にあるきはじめるんです。ええっ? とかふつうに思います。いつ向…

まほろさんと美里優が住んでる家の向きがわからない(まほろまてぃっく)

アニメ『まほろまてぃっく』(2001年)は、戦闘型アンドロイドのまほろさんが、両親を亡くした美里優(みさとすぐる)の家の住み込みメイドになっていろいろなことをする昔の日常系アニメで、ときどき歌うまほろさんのはなうたと、ときどき戦うまほろさんの…

ぼくが漫画の話をしないのは、『さよなら絶望先生』に絶望したから

雑誌じゃなくてコミックス(新書判)で『さよなら絶望先生』の小さな文字を読むのは無理。 大きな判型の奴作ってください(泣)。 あと、話を追うだけなら1冊15分から20分ぐらいでも読めるんだけど、細かなところまで見ると時間がかかりすぎるんですよ。 本…