砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

最初のシーンを一番最後に撮っている映画(サウンド・オブ・ミュージック)

1960年代を代表するような映画で、最初のシーンを最後に撮っていることで有名な映画がふたつあります。 ひとつは『アラビアのロレンス』(1962年)で、これはバイクでロレンスが事故死するシーンなんですが、本当にロレンス役のピーター・オトゥールが事故死…

リハーサルをする人としない人(黒澤明とウディ・アレン)

ウディ・アレン監督はリハーサルをしない人で有名でした。 そのかわり、現場で面白いと思ったものはどんどん入れて、つまらないと思ったものは容赦なくカットする。自分が出ているショットでもがんがん削る。『カメレオン・マン』(1983年)の場合は削りすぎ…

アニメらしい演出で「へー」と感心したカット(幻影ヲ駆ケル太陽)

アニメ『幻影ヲ駆ケル太陽』(2013年)は、『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)以来もっとも「へー」と思った魔法少女ものですが(とはいえそういうのばかり見ているわけではないので他に面白い作品あったら教えて)、特に感心したのはキャラデザインの強引…

休刊(廃刊)になった雑誌の編集長はどうなるか

映画『ドラゴンタトゥーの女』(2011年)の主人公ミカエル・ブルムクヴィストは雑誌「ミレニアム」の編集長でしたが、雑誌の記事による名誉毀損でその座を降りることになります。彼の場合は経営者でもあったんですが、たいていの大手出版社における雑誌の編…

別々の行動をしている人間をどう撮るか(ドラゴンタトゥーの女)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 映画『ドラゴンタトゥーの女』(2011年)は、スウェーデンを舞台にしたミステリー映画で、富豪の一族で消えた少女の謎を解くために、諸般の事情で雑誌編集長をやめた中年のミカエ…

ワタとコットン(cotton)の謎(けんぷファー)

英語ではワタはコットンですが、コットンの起源はアラビア語のqutun(綿花)で、スペイン・フランスを経て英語になりました。正確にはワタじゃなくてモメンですかね。木綿が来る前にワタという言葉は「なんかこう、ふわふわしたもの」という意味の日本語とし…

外人の顔は引き続き見分けがつかないけど、犯人はすぐにわかるようになってるので見かえすことになる(裏切りのサーカス)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 映画『裏切りのサーカス』(2011年)は、なんで21世紀になって映画化されるのかよくわからないスパイ映画でした。 冷戦時代の1973年11月、致命的な失敗により、ハンガリーの防諜…

全盛期の手塚治虫なみに変態な映画だった(私が、生きる肌)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 映画『私が、生きる肌』(2011年)はなかなかめちゃくちゃな映画でした。 まず、なんかわからないけどスペインのトレドにある古い屋敷(豪邸)に閉じ込められてるベラっていう素…

不条理な状況におかれた主人公がなんとかする話ってミステリーでいいのか(ミッション:8ミニッツ)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) これからしばらく「ミステリー映画」と呼ばれているジャンルの映画を見て、その感想をだらだら書きます。元ネタはtogetterでまとめられている「ATBミステリ映画」(オールタイ…

アニメ『神無月の巫女』とクロスカッティング

アニメ『神無月の巫女』(2004年)は、月の巫女である姫宮千歌音と日の巫女である来栖川姫子が主に悪い人たちと戦う、神話だかロボットアニメだかわからないけど、とにかく千歌音が姫子のことを好きでしょうがなくで、姫子がどうしたらいいのかな、って聞い…

映画『インターステラー』はなぜ3Dじゃないのかに関するメタ解釈(ネタバラあり)

映画『インターステラー』(2014年)はクリストファー・ノーラン監督による宇宙を主な舞台にした嫌な未来(ディストピアとはちょっと違う)のSF映画です。最後は一応ハッピーエンドだけど少し無理やり。 主人公で元宇宙パイロットで農業やってる人がいきな…

文化祭(学園祭)の出てくるアニメでは今まで見たアニメの中で二番目ぐらいに面白かった『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』

どうもいろいろ集中できないので、ブログサボってアニメ見ることにしました。 引き続きひどいのは言及しないようにするのは、本や映画と同じですが(ひどい感想は、ときどきアニメの感想サイトで書いてる)、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(…

視点(視野)の撮り方が狭い気がするクリストファー・ノーラン監督(インソムニア)

映画『インソムニア』(2002年)はアラスカ州を舞台にした犯罪(警察)映画で、主人公は中年のロス市警警部で、辣腕ながら少し強引な取り調べが警察の内務調査の対象になっている男性です。 湖を中心に、広大で荒涼としたアラスカの自然が舞台に描かれるわけ…

「醜聞」は「すきゃんだる」で「理由」は「わけ」で「時刻」は「とき」でもたいした問題じゃない

醜聞殺人事件(すきゃんだるさつじんじけん)。 理由なき反抗(わけなきはんこう)。 狼の時刻(おおかみのとき)。 これ以外にもいろいろあります。「刑事(でか)」とか。 問題は「日本」を「にっぽん」と読むか「にほん」と読むか、気になって仕方がない…

だいたいクリエイターは45歳前後で一番いい仕事してる(黒澤明ほか)

黒澤明…44歳で映画『七人の侍』(1954年) 宮﨑駿…45歳でアニメ『天空の城ラピュタ』(1986年) 手塚治虫…45歳で漫画『ブラック・ジャック』の連載開始(1973年) 小松左京…ちょっと早くて42歳でSF『日本沈没』(1973年) 谷崎潤一郎…46歳で『細雪』書きは…

真知子巻きの起源は映画『君の名は』第二部から、って書いてあったけど、第一部の冒頭で真知子さん頭に何か巻いてます

映画『君の名は』はラジオの大ヒットを受けて1953年の秋から1954年の春にわたって3部作として公開され、やはり大ヒットしました。話の内容は延々とすれ違いが続くのかと思ってたら、第一部の真ん中ぐらいで、出会ってから1年半後の昭和21(1956)年11月24…

映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012年)で変なのは瑤子夫人の服と三島由紀夫邸

今頃の寒い時期になると三島由紀夫のことを思い出します。 別に生きていたときの三島由紀夫を知っていたわけではありませんが、いやはやもうとにかくびっくりするような事件だったらしいことは想像できます。 歴史上の人物で中二病をこじらせて死んじゃった…

話の舞台の虚構度が過ぎるとそれは作者の脳内世界(メタ物語)なのかと思いたくなる(ご注文はうさぎですか?)

アニメ『ご注文はうさぎですか?』(2014年)を見はじめました。 この物語は「木組みの家と石畳の街」で展開する、日本の高校生みたいな子が主役で、彼女が下宿している喫茶店が主な舞台になっていて、虚構度が高すぎて今まで見たこの手のぬるぬる女子アニメ…

9分割式記憶連想型アイデアメモアプリ(アイデアモザイク)

ひとりブレーンストーミングとして以下のようなものがあります。1・5×3インチサイズの無地の図書館カード(っていうのかな)を用意します。今でもコレクトって会社が売ってる2・その1枚に縦横2本ずつ線を引いて9つのマスを作ります3・真ん中に何かを…

漫画編集十訓

いろいろなものを捨てていたら、誰かにもらったこんなのが出てきたので、せっかくなのでブログに載せてみます。 漫画(漫画)に関する、主に編集者サイドから見た創作上の注意なんだろうけど、別に読者・漫画家その他何か娯楽的なものに興味がある人・何かを…

イヤホンの右と左を区別する安直な方法がわかったよ

今まで小さな字で「R」「L」としかしか書いてなくて、非常に苦労してたんですが、この方法なら大丈夫。 おまけに特殊な道具も何もいらないし、暗いところでもわかるし、このブログ記事を見たら誰にもすぐできる。 画像1。上のほうが右。 画像2。拡大画像…

漫画『日出処の天子』と「馬屋古女王」制作秘話

山岸凉子の漫画『日出処の天子』は雑誌『月刊LaLa』に連載され、その後コミックス(単行本)にされた、聖徳太子を主人公にした、なんかホモっぽい漫画です。 月刊LaLaは毎月24日に発売され、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆休みの進行も特に問題がない発…

ラノベ『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(宇野朴人)はどうして面白かったのか

最近のラノベについては何も知らないので、適当に人がおすすめしている本を読むことにしました。 つまらないのはブログに書かないで、ぼくの「あとで読む」リストの後ろのほうにしたりしています。 だいたい5冊に1冊は面白いのがあるので、ブログではそう…

若菜正の再発見と再評価、誰かやってくれないかな(集英社)

評伝みたいな感じで。 今世の中に出回っている西村繁男の本で見られる若菜正・集英社3代目社長像、ってのはこれは反・若菜史観によって作られたキャラ設定なので、そうじゃない史観も伝えなければならないはず。 もう死んじゃったので、伝聞情報でしか語れ…

滑舌の悪い高倉健・菅原文太

昔の日本の任侠・やくざ映画を見ていて難儀するのは、「何言ってるのかわからない」 ということです(ときどき)。 同じ日本語でありながらうまく聞き取れないとかわからないということがあるのが困った。 字幕つけて欲しい。 特にいけないのが菅原文太で、…

「行かねばならぬ、行かねばならぬのじゃ」って誰のセリフ?(天保水滸伝)

三波春夫「大利根無情」は、やくざの親分である飯岡助五郎と笹岡繁蔵の、利根川周辺での縄張り争いを描いた講談『天保水滸伝』に出てくる剣の達人「平手造酒」のモノローグを中心にした芝居みたいな歌です。 平手造酒は江戸のお玉ヶ池・千葉周作の剣道場で修…

くだらない1950年代の日本映画でもつい検索してしまう(大江戸五人男)

映画『大江戸五人男』は1951年に作られた日本映画で、旗本の不良グループである白柄組の一人として市川右太衛門が水野十郎左衛門という役で出てきます。だいたい市川右太衛門が出ている映画は彼が何か言ったり動いたりするともう他の役者に集中できなくなる…

若山牧水『海の声』のやっかいな問題

若山牧水は戦前の短歌人で、歌と旅と酒を愛し、日本各地に歌碑があることで有名です。 第一歌集『海の声』(1908年)の序文には以下のようなテキストがあります。『われは海の聲を愛す。潮青かるが見ゆるもよし見えざるもまたあしからじ、遠くちかく、断えみ…

3分間で3匹のネズミを捕らえることのできる3匹の猫が100匹のネズミを捕らえるのは何分後?

正解は102分後。 ×1分間で1匹のネズミを1匹の猫が捕らえる ○3分間で1匹のネズミを1匹の猫が捕らえる 似たような問題で、 井戸の中のカエルが1分に1回のジャンプで3メートル飛んで2メートルずり落ちるとすると、深さ100メートルの井戸から脱出出来…

「Kindleで「complete works」で検索して拾った本のうちどれだけ読んだか言い合うゲームしない?」「無理」

ちなみに検索すると以下のようなものがあります。 シェイクスピア全作品(英語) 5729 KB 200円 プラトン全作品(英語) 11615 KB 264円 アリストテレス全作品(英語) 12713 KB 264円 エドガー・アラン・ポー全作品(英語) 1558 KB 102円 ほかにも、エドガ…