砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「その話、もう聞いたから」というのの、年長者に対しての婉曲的表現はないものか

しかし、面白い話って何度聞いても面白いんで困っちゃいますね。 落語と同じようなもんで、物語は何度聞いても面白い。 ウディ・アレンにインタビューして『ウディ・アレンの映画術』(2010年、清流出版)という本を出したエリック・ラックスは、ウディ・ア…

殴ったほうは覚えているが殴られたほうは忘れている(手塚治虫)

『神様の伴走者』(2010年、小学館)は、手塚治虫(以下敬称略)担当者だった13人の編集者と、マネージャーだった松谷孝征、同じ漫画家で手塚治虫の非常時に手伝ったこともある藤子不二雄A(安孫子素雄)に、ビッグコミック1編集部(当時)の佐藤敏章がイ…

サビすぎた世界

高速道路、特に首都高速とか東名高速道路を走るときに気になるのは、「なんか、どこもかしこもサビすぎてなくない?」 ってことです。 ああいうのは、別にサビててもすごい事故にはならない(支えてる支柱が折れたら問題なので、そちらに金をかけてる)から…

悪というのは何かが過剰な状態なんじゃないかと思う(ヒッチコック)

最近ちょっと「悪」というものについて考えます。 そのためにはそれに対立する「善」について考えないといけないんですが、それは多分「中心の点から等距離の線」、つまり「円」です。 だから「悪」は「中心の点から等距離になっていない線」あるいは「中心…

声優はセリフがない部分では呼吸を調整して、ちゃんと息を吸ってから話す(大塚明夫の声優業と合気道)

有名な声優・大塚周夫の息子である、やはり有名な声優の大塚明夫は、空手やトラックの運転手などをやったあと舞台役者になり、その後声優になった人で、著書『声優魂』(2015年、星海社)では後にならった合気道について以下のように述べています。P73『空手…

『十二人の怒れる男』の舞台化って無理があるように思えた

この話は場所固定で、キャラの性格づけもしっかりしていて、そんなに長い話じゃないんで、舞台(芝居)としてやってみたがる人がけっこういるんですが、実際にはなかなか難しいんじゃないかと思います。 奥を窓にして、長いテーブルを置いて十二人座らせる、…

映画『十二人の怒れる男』の、少年の父親を殺した真犯人は誰か

(以下ネタバラあるので注意) 一応、キャラの性格などについては、ぼくのきのうの日記やウィキペディアを参考にしてください。 映画『十二人の怒れる男』(1957年)では最後に、容疑者である少年の殺人に関しては、その少年が殺したと確証するに足りる十分…

映画『十二人の怒れる男』を『十一人の怒れる魔女』に変えてみる(ストライクウィッチーズ)

映画『十二人の怒れる男』(1957年)は、テレビドラマを映画にした、シドニー・ルメットの劇場映画初監督作品で、十二人の陪審員たちによる評決で、一人だけどうしても「有罪とする根拠がとぼしい(いわゆる合理的な疑い。リーズナブル・ダウト)」という理…

机の上で踊る人を下方向から撮る場合は天井が写る(RENT/レント)

映画『RENT/レント』(2005年)は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』(初演は1896年)を現代の、というかまあ1980年代末のニューヨークのイーストヴィレッジの芸術家たちの話にした、1996年初演のミュージカルを映画化したものです。 もとの『ラ・ボエー…

仮名手本機動戦士ガンダム・五段目(ランバ・ラルと定九郎)

さてここで中村仲蔵が苦労してはじめて名代として舞台に上がったときにあてがってもらった役が仮名手本機動戦士ガンダムのランバ・ラルの役たった一役。 これは名代下の役者がやるもので、当時の芝居ははじまるのが早くて一段目が今の時間で午前七時、これは…

ハリウッド映画で「天井」というものがいつごろ一般的になったのか知りたい

昔の映画は、誰のどの部屋でも、どのホテルのどのステージでも「天井」というものがありません。 あれは多分、舞台というものを模して作られた名残りだと思うんですよね。 舞台の芝居は、天井がない世界、という前提で物語が進められます。 映画の場合もそう…

なんかもう少し刻まない(刻みすぎない)映画見たい(ハイスクール・ミュージカル)

映画『ハイスクール・ミュージカル』(2006年)は、アメリカの高校を舞台にした歌入り映画で、話もつまらなくはないんですが、なんでこうカット(ショット)刻むの? と見ていて気になりすぎました。 だいたい歌うシーンではマルチカメラ4台ぐらい使って、…

生涯に二度読むべき名著『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)とメタ部分について

吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』は、戦前の東京の山の手の中学校に通う「コペル君」というあだなの少年と、その叔父さん(母の弟)、それにコペル君の級友たちで話が作られている、なんとも不思議な、いろいろ入っている小説です。 普通の図書館では児…

1975年の春にベトナム戦争は終わり、冬にコミケ(コミックマーケット)がはじまりました

今年の冬でコミケは40周年ということになります。 とはいえ、ベトナム戦争もコミケもいきなり終わったりはじまったりしたわけではなく、霜月たかなか『コミックマーケット創世記』(2008年、朝日新聞出版)は、第一回コミックマーケットが1975年12月21日に開…

今までなかったようなことするだけでアカデミー作品賞もらえるなんていい時代だなと思った(ブロードウェイ・メロディー)

映画『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)は世界初のトーキーによるミュージカル映画で、アカデミー作品賞を受賞したこと以外には特記するほどのことはない凡作です。 これはまだ、ブロードウェイの関係者が映画産業に進出してくる前の映画で、歌はある…

舞台と映画空間の融合(シカゴ)

映画『シカゴ』(2003年)は、アカデミー賞作品賞を取ったミュージカル映画としては『オリバー!』(1968年)以来ということになっていますが、ほぼ毎年ミュージカル映画っぽいものはノミネートされていて、この映画の劇場版演出を手がけたボブ・フォッシー…

猫と狸とミュージカル(フットライト・パレード)

映画『フットライト・パレード』(1933年)には、ものすごい勢いで仕事をする舞台演出家の役をジェームズ・キャグニーがやるんですが(この人はびっくりするぐらいに歌って踊れる)その作中の舞台の話として、猫が歌って踊る話が出てくるのには驚きました。 …

ペリー・ローダンを1冊読むのに6時間かかる

1冊で2作入っているので、1作読むのに3時間。 正直言って普通の映画見るより時間かかる。 なんか、メモしながら読むと面倒くさいんだよな。 しかし1時間で60ページというのはさすがにかかりすぎ。 そろそろ面白くなりはじめるようなところにさしかかり…

映画『ハレルヤ』(1929年)面白いんだけど、これ、ミュージカルなのかなあ

映画で音が使えるようになったころの、割と初期に作られた名作。変作かもしれないけど、歌と踊りがあるとどうもだまされてしまう。 歌は黒人の労働歌とかゴスペルとか、あまりミュージカルっぽくないし、話の内容は、歌のうまい貧しい家の子供が歌がうまくっ…

戦後生まれのアメリカの若者がティーンエイジのときヨーロッパ映画を見まくったのは「ハリウッド映画にはないものがあったから」というのは微妙な言いかた

1960年代中ごろまでのハリウッド映画になかったものは「おっぱい」です。 おっぱい、おっぱい、おっぱい!(大事なことなので3度言いました) おっぱいまで見せてくれて、しかもなんとなくアート(芸術)っぽい。 もうそうなると、アートにもおっぱいにもく…

汽笛一声新橋を出た汽車は何時間ぐらいで神戸(大阪)に着くの?(鉄道唱歌)

明治時代の汽車の旅、答は約20時間です。 午前6時に新橋を出た汽車は、午前2時ぐらいに着くことになりますが、実際にはそんなに無茶しない。・汽笛一聲新橋をはや我汽車は離れたり愛宕の山に入りのこる月を旅路の友として これは有明の月ですね。夜明けに…

漫画のフォントは誰のもの?

漫画の中のセリフの文字は、写植というものでできています。 電子書籍なら電子写植。漫画と同じでデジタルになります。 昔の手塚治虫の復刻版なんか見てると、当時は写植というものがあったかどうかは不明なんですが、「手描き文字」になっている原稿があっ…

sendからcallへ、そしてまたsendへ(フロム・ミー・トゥ・ユー)

1962年10月5日にイギリスで発売されたビートルズの最初のシングル盤には、B面に「P.S.アイ・ラブ・ユー」という、どこをどう考えても手紙の歌が入っています。 また、1963年11月22日にイギリスで発売された2枚めのアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』には…

ブログを長く続けるコツは、昔と今の話をしないこと

年を取ると人間は昔話しかしなくなります。 で、その昔話はたいていが間違ってるんですが、その間違いを指摘する人が死に絶えてしまったら言いたい放題。 今の話と昔の話をからめると、「昔はよかった」みたいな話になるんですが、その記憶もたいてい間違っ…

長谷邦夫の漫画による『東海道戦争』が世に出るまでの長い道

短編「東海道戦争」は筒井康隆の初期における代表作品で、最初の短編集の表題にもなりました。 小説の発表は1965年7月号のSFマガジン(実際には5月下旬発売)で、話の内容は東京と大阪が戦争をする話です。主戦場は実際には関西の、山崎の戦いでも有名な大…

英語学習に一番向いている映画のジャンルはミュージカルとディズニーアニメ

アクション映画は、アクションは面白いんだけど特にセリフなんかないし、説明のある部分はミッションとか事情説明がややこしい。 警察もの・法廷ものは変な専門用語が出てきてわからなくなる。 ミステリーは謎解きのヒントになるところうっかり見逃すとわか…

朝の公園で、鳥を相手に昨日見た夢の話をする

最近どうも夜は10時ぐらいに寝て、朝は日が上がる頃くらいに起きて近くの公園に行ってます。 ただ行くだけではつまらないので、その日に見た夢の話を、スマホに向かってしてみます。 夢の話というかまあ、だいたいは創作なんですけどね。 これが意外とうまく…

フランク・ザッパの海賊版への対応方法

フランク・ザッパの曲を、コンサートでの海賊版まで集めようとすると大変なことになります。 同じ曲でも、その日のノリによっていろんなバージョンがあるんだけど、レッド・ツェッペリンと違って、ザッパはそういうのにあまりこだわらない人でした。 海賊版…

週刊少年ジャンプには相変わらず連載漫画というものが公にはない

集英社から新しい漫画雑誌を創刊する際には、親会社である小学館は「子会社が親会社の雑誌(少年サンデー)のライバル雑誌作るなんて許せない」と強硬な姿勢だったんですが、講談社が少年マガジンの弟雑誌として週刊の「ぼくらマガジン」をはじめたのをきっ…

親が子供に教えるのは自転車の乗りかたとキャッチボール(ラストミッション)

映画『ラストミッション』(2014年)は、凄腕のスナイパーが重病になって、最後の大仕事をやりながらもう長い間会っていない娘とコミュニケーションをはかるという、リュック・ベッソンが作ってスカーレット・ヨハンソンが出ているとしか思えない映画ですが…