砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

共同通信の『書評大全』を読みはじめる

だいたい1か月分、24本の書評を1時間ぐらいで、メモしながら読むんだけど、1998年の時事的な本の話は、さすがに古すぎて今読んでも面白くないかもしれない。 時事的な本は、もう少し古くなると、また別の面白いところが出てくるんですけどね。1960年代の本…

喜怒哀楽は楽器の特質

最近、声(歌)のない音楽の、それも即興演奏というものに浸っています。具体的には、1950年代から60年代にかけてのモダン・ジャズ。セロニアス・モンクの、謎の三連符連打とかね。 歌のない音楽は、声(コントロールされる感情)の果てにあり、その結果とし…

五感と関係するどうも苦手な表現

人間には視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚と、5つの感覚があるものとされています。 味覚と嗅覚は、まあだいたい似たようなもので、視覚・聴覚が人間が情報を得る手段としては最も重要なもののようであります。視覚・聴覚以外のものを除いた娯楽もたくさんあり…

坂道の向こうにいつも図書館がある

ぼくが子供のころから高校まで、10年ほど育った町は地方の中規模都市で、最近はどこもそうだと思いますが、いろいろなところが錆びついている町です。陸橋も、歩道橋も、昔の商店街のビルも、昔の公共施設も。 中学時代は通学路の途中に、古すぎて誰も読まな…

なんかもうノート取りながら本を読むのをやめよう

しかし、『ゲーデル、エッシャー、バッハ』(ダグラス・ホフスタッター、1979年)はどうもノート取りながら、机の上で読まずにはいられない。 ぼくの理想の読書は、天気のいい初夏の公園のあずまやで、勉強のためじゃない文庫本を、なんとなく読み流すだらだ…

青い映画の時代(マイノリティ・リポート)

スピルバーグ監督の『マイノリティ・リポート』(2002年)は、犯罪予知が可能になった未来を、青に統一した色調で作り上げています。 が、しかし、これではいくら何でも青すぎる。 1980年代までのスピルバーグは、インディ・ジョーンズのシリーズでもわかる…

お題「この色が好き」(タン=tan)

お題「この色が好き」 好きな色はtan(タン)です。JIS規格では「くすんだ黄赤(dl-O)」dull orangeか。 要するに、アニメ『きんいろモザイク』(2013年)の猪熊陽子の髪の毛の色だと思えばいい。 アニメ『ガールズ&パンツァー』(2012年)のあんこうチー…

再帰的話法(リカーシブ・トーク)とテレビ中継

2016年4月中旬、九州地方の熊本で大きな地震がありました。まず、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。 テレビ中継の際に、枠内で物語がさらに展開する、物語内物語になることは、災害情報などに関してはよくあることで、これを再帰的話法と言…

(番外)カクヨムのほうの物語、第6話が終わりました。

こちらでやってます。 kakuyomu.jp 少しサボったんで、一週間以上かかりました。 だいたいキャラと謎がほぼ出たので、何回か当番回をはさんで、ラスト2回はグレンラガンみたいな感じにしたい。 5月の末には完成する予定で、現在400字計算で150枚ぐらいだから…

マイ特集をしてみたくなるような本(円山町瀬戸際日誌)

内藤篤『円山町瀬戸際日誌』(2015年、羽鳥書店)は、2006年に東京・渋谷の円山町で、今となっては回顧されるような存在でしかなくなった名画座(シネマヴェーラ渋谷)をはじめた弁護士兼館主の人による記録です。 名画座で映画を見たのは、どうも21世紀にな…

映画は役者のアクションとリアクションを同時に見せてほしい(風と共に散る)

ダグラス・サーク監督の『風と共に散る』(1956年)は、キャラ配置とシナリオが抜群に面白い、たわけたタイトルをつけられてしまったので損をしている、シリアスロマンス(メロドラマ)の名作です。 主人公のミッチ・ウェインは貧乏ながらもアメリカの石油王…

青い瞳の回想ではじまる物語(タイタニック)

1990年代後半に、たまたま青い瞳の人の回想ではじまる映画がヒットしました。『タイタニック』(1997年)と『プライベート・ライアン』(1998年)です。 その後、特に回想ではじまる物語が流行ったという話も聞かないんだけど、このあたり(90年代後半とゼロ…

『のんのんびより りぴーと』で納得いかないところ

アニメ『のんのんびより りぴーと』(2015年)では、EDの歌の前に「のんのんびより」という字が出て、それが回転して「今回はここまで」という字になります。 その字はフレーム外から垂れている糸にささえられていることになっていて、「び」と「り」はそ…

世の中には2種類の映画がある。ジャッキー・チェンの映画とそれ以外の映画だ

ジャッキー・チェンの映画について、どうも評伝っぽいものを読みたいと思ってもなかったんで、『永遠の少年-ジャッキー・チェン自伝-』(2016年、楓書店)が出てたんでざっくり読んでみることにする。 自伝というのはだいたい評伝と比べるとあまり面白くな…

第一次戦後派の小説を読むときに留意しておかなければならない3つのこと(戦後文学を読む)

戦後文学の代表作を、現代の作家が読みなおして果たして面白いのか、というと、面白いものもある(テーマに納得できるものがある)らしいのが、奥泉光&群像編集部・編『戦後文学を読む』(2016年、講談社)の作家とその周辺の人たちの結論のようであります。…

物語で大切なのは、変わるきっかけを書くこと(コラテラル)

映画『コラテラル』(2004年)は、殺し屋とタクシー・ドライバーの、ロスアンゼルスでの一夜(だいたい10時間ぐらい)の物語です。 殺し屋(ヴィンセント)は一晩で5人の殺しを引き受け、そのための専用運転手として優柔不断な男マックスを使います。 過去…

この日はお休みです

どうもひどい咳が出る風邪にかかったみたいで体調悪くって、薬飲んだらすぐに寝てしまった。 現在(2016年4月14日)の体調は、一番元気なときを10ぐらいだとしたら、5ぐらいです。 小説のほうが全然書けない。

なんか猛烈に眠いけど、川口松太郎読んでから寝る

読んでるのは『川口松太郎全集第二巻』、長編『蛇姫様』と『振袖御殿』が入っている奴。 面白いのですが、最近寝落ちしてしまうことが多いので困るのだった。

本の発売日は毎月25日よりあとの日付はない、はずですが…(貴婦人として死す)

文庫の発売日はだいたい奥付上は10日か25日ということになっています。 違う出版社もいくらでもあるんですが、まあだいたい25日以降に何かが出るということにはしていない。 これは、月末の日付の奥付にすると、うっかり「9月31日 初版」なんて馬鹿な本が作…

特別お題「青春の一冊」(寺山修司青春歌集)

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE ぼくらの時代には、構造主義とかポストモダニズムのせいで、小説や思想が非常にシニカルなものになっていて、面白いものを探そうと思うと少し古いものを読むしかなかったのです。 吉本隆明から野間宏、埴谷雄高と…

意味としての「犬」と、存在としての「犬」は違う

音としてイ・ヌが特定の意味を持つわけではないのですが、日本語では「犬」というと特定の動物を意味することになります。 英語だとドッグですね。 絵でも多分同じ。犬だか猫だかわからない絵でもまあ、犬として扱うことにしよう、とすると、それは犬になり…

神様が世界を作ったというのは、旧約聖書の中に限定するとあやしい気がする

旧約聖書の中の神様は、世界最初の嘘つきということになっています。 知恵の木の実をアダムとイブに「食べたら死ぬ」って嘘言っちゃってますからね。 で、ヘビは世界最初の犯人。 アダムは世界最初の「おれのせいじゃない」って、人のせいにした人。 イブは…

密室殺人を撮る場合のモンタージュの過剰解釈

1・まず、鍵がかかっていて開かないドアがあり、中で誰かのうめき声が聞こえます。2・次に、そのドアを開けようとする探偵とその仲間たちがおり、どうしても開かないのでドアを壊すことにします。3・壊したドアの内側(部屋の中)には、ナイフで心臓を一…

(番外)カクヨムのほうの物語、第5話が終わりました。

こちらでやってます。 kakuyomu.jp 第5話は今までバトル要因が少なかったので、一応入れてみました。 今回はオチとキャラが決まっていたので、比較的書きやすかったな。

お題「体調が良くないときに読みたい本」

お題「体調が良くないときに読みたい本」 どうも風邪を引いてしまったようなので、小説のほうも含めて何日かお休みします。 そんな時に床で読みたい本というと、何がいいんですかね。 文庫で、日本人の短編集かアンソロジーあたりで、あまり頭を使わない本が…

お題「なんではてなブログのお題にはろくでもないテーマしか出てこないのか」

お題「なんではてなブログのお題にはろくでもないテーマしか出てこないのか」 これは、頭が悪くて自分のことを語りたがっている人にテーマを与えるのに特化してしまったせいかな、とか思う。 マイお題とかでカスタマイズもできるので、「好きなスコラ哲学者…

今週のお題「印象に残っている新人」

それは『マクロスF』(2008年)の中島愛(ランカ・リー)と、『がんばっていきまっしょい』(1998年)の田中麗奈です。 このふたつの物語は、すでに終わっているものとして語られる物語という共通点があります。 少しどころか、かなり古くてもいいなら、三…