砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

2018-01-01から1年間の記事一覧

「鼠と竜のゲーム」(コードウェイナー・スミス)の邦題ってなんかおかしくない?

カルト的なSF作家であるコードウェイナー・スミスの「鼠と竜のゲーム」(The Game of Rat and Dragon)は、1955年に発表された短編です。 未来の宇宙飛行士は、宇宙空間で「竜」と認識できる謎の怪物に襲われて、発狂して死んでしまいます。 ところが、人…

否定形を否定形で訳さない(I don't think...)

こういう英文があります。 I don't think so. これは普通に訳せば、 「私はそうは思わない」 この訳しかたで女子高生でも大学生でも、翻訳家でも問題ない。ただねえ、「ドント」と最初のほうに否定が入る場合、「○○ない」と日本語の最後のほうに否定を入れる…

「物」が「人」に「○○させる」って表現、どうなの?

こういう英文があります。 The hammering anoyed her. これは、普通に訳すとこうなります。 「ハンマーの音が彼女をいらいらさせた」 こういう風に英文和訳すれば問題ない。 早稲田でも東大でも、オックスフォード大でも入れる(まあ外国には英文和訳の試験…

photo opportunityという語について

どうも、英語を日本語にする際に、英語っぽいものを混ぜてみると、今の日本語的にはうまく行きそうな気がするんです。まあ昔の英語だと駄目ですけどね。 で、photo opportunityという単語(二語による名詞)について。 普通に考えると、 「写真の機会(好機…

copyという語について

5か月ほど顔を出しませんでしたが、またぼちぼちはじめます。 何をしてたかというと、ライトノベルを読んで、翻訳の勉強して、物語を書いてました。 物語を書くのはブログテキスト以上に適当でいいんだけど、なんか横文字を縦文字にするスキルって面倒なん…

柱や仕切りその他縦の線に意味を持たせたくない場合は、その線に重なるように人物を撮る(ハドソン川の奇跡)

実写の映画は、アニメと違って背景や手前の小道具をごまかし切るということができません。つまり、普通に室内なら壁やドア、屋外なら木立やビルといった「縦の線」が入ってしまいます。「横の線」はまあ、入らないことはないんだけどそれなりにごまかせるん…

スタンリー・キューブリックのおかげで映画の構図が気になってしかたない

どういうふうに気になるかというと、人物が歩いてたり、会話してたりするじゃないですか。で、会話している場面とかで、背景や小道具がどのように置かれているか(人物にかかっているか)というのを、ちゃんと監督がコントロールしてるか(計算してるか)と…

レイ・ブラッドベリが1967年に他界していたら、と、ひどいことを夢想する

これはきのうのブログのつづきです。 sandletter.hatenablog.com SF業界の長生き作家というと、レイ・ブラッドベリとジャック・ウィリアムスンで、どちらも21世紀まで生きました。ブラッドベリは2012年、ジャック・ウィリアムスンは2006年没。 そこでちょ…

英米のSF作家と著作権(コードウェイナー・スミス)

素人の翻訳者が適当にネットで翻訳を発表するためには、著作権関係であれこれ言われないテキストを見つけることが必要になります。 日本の法律で著作権が保護されているのは、一応2018年2月の段階では「死後50年」、匿名の場合は「公表・公開後50年」という…

櫂は三年櫓は三月(らくだ)

落語『らくだ』は、長屋でひどく評判の悪い男・らくだがフグを食べて死んじゃって、その兄貴分と出入りの紙屑屋がしぶと(死人)の「かんかん踊り」でもってシブチンの大家その他からいろいろ葬礼(そうれん)の金と酒などを仕入れる話です。 これは上方では…

緩く教えて・時計の中の「殻竿」って何?

最近は古今東西のアンソロジー(短編集)をごちゃまぜにしながら読んでます。 その中の一冊にあったのが『アザー・エデン』(エヴァンズ&ホールドストック・編、早川書房、1989年)という本。イギリスSF傑作選というタイトルのとおり、(ほぼ)イギリスの…

緩く募集・1万光年の星へ一瞬で着ける方法の元祖

1万光年先の星へ着くには、光の速さで1万年かかります。 で、それだけの距離を移動しながら、同時に時間移動(1万年分過去に戻る)もすれば…。 1万光年先まで一瞬に行ける。 これは、映画だとヒッチコック『めまい』(1958年)の中で使われて有名になっ…

目で見ないとわからない落語(一目上がり)

落語は戦後からビデオが普及するまでの間は、ラジオやレコードの聴覚芸術として楽しまれることが多く、目で見て面白い話はともかく、目で見ないとわからない話は残らないことになってしまいました。 仕草で禅問答をするのが話のキモである「蒟蒻問答」は映像…

ペンティメント(リリアン・ヘルマン)

『ペンティメント』はアメリカの女性作家リリアン・ヘルマンによる小説で、日本では『ジュリア』という映画公開に合わせて、映画と同じ邦題で1978年に翻訳されました(パシフィカ)。そのあと早川書房の文庫にもなってます。 映画に言及する形で、映画評論家…

こわい話を書くときの留意点

新しい年(2018年)がはじまったので、ぼちぼちこのブログにもテキストを書くことにします。個人的なメモみたいな感じで、思いついたことを書くだけなので、思い出したら読んでみてください。 2018年の目標として「短編小説をいろいろ読む」ということにして…