砂手紙のなりゆきブログ

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昔の橋を今渡る(氷菓)

 アニメ『火垂るの墓』は、清太と節子が暮らした崖の穴のある池(ニテコ池)を見おろす邸宅から「埴生の宿(Home! Sweet Home!)」が流れて終わりますが、あの邸宅は旧・松下幸之助邸(名次庵)で、普通のアニメ好きには『涼宮ハルヒの憂鬱』の鶴屋さんの家ということになっています。旧・松下幸之助邸は戦後、取引先を接待するのに使われ、アメリカを中心とする各国のバイヤーが夜宴を楽しんだということです。
 アニメ内の自主制作映画『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』が撮影されたのは、そこから数百メートルほど離れた新池ですが、原作とはいろいろ違っています。そもそも野坂昭如の小説が、史実とは異なっているのですが、まぁ1945年ごろに死んだ子供たちの話を(多分)知らないで、その50年後、2006年ごろに、くだらない自主制作映画を作ったかと思うといろいろ考えさせられるところがあります。
 アニメその他で「昔のものを今見る」というのはあまり経験がありませんが、岐阜県高山市は古くからのものが残っている観光地なので、1955年に木下惠介監督が作った映画『遠い雲』と、2012年にテレビ放映されたアニメ『氷菓』とは、似たような風景が楽しめるんじゃないかと思います。
 映画『遠い雲』では、ジャズコンサートの会場(高山会館)から抜けだした石津圭三(田村高廣)が、昔の恋人だった寺田冬子(高峰秀子)と延々と歩きながら話すんですが、そのとき渡る橋が「不動橋」で、どうやって撮ったの? と思うぐらい橋の上を延々と撮り続けます(普通に、橋の横をずーっと板とか敷いて移動撮影したんじゃないかな)。
 それと同じ橋を、アニメ『氷菓』第21話では折木奉太郎福部里志が渡ります。
 映画は夏で、アニメは冬。映画はどうも橋の上が土になってるみたいですが、アニメでは板張りです。少し作り変えたんだろうなぁ。ジャズコンサート会場はちょっと確認できませんでした。