砂手紙のなりゆきブログ

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1988年の最低翻訳ミステリーだったらしい『ゴールド2/死線』(H・レズニコウ)

 1989年版『このミステリーがすごい!』、会社員・森脇晃氏の選評から。

 6(注:『ゴールド2/死線』)はSRの会で八八年翻訳部門でワースト一位になった愚作。ひとりよがりのトリック、うすっぺらな人物描写、と日本で話題の新本格を思わせる怪作。あまりにひどいので入れてしまった。次作が読みたい。

 こんなこと書かれて、読みたくならない人いないじゃないですか! ところがないんですよねこれ。当たり前だけど。近くの図書館にも都立図書館にもない。国会図書館にはありました。某密林では簡単に見つかりました。7円という高値です(このブログ書いた時点で)。
 とりあえず、あらすじ引用します。

 劇場内のボックス席で、バレエ団のワンマンオーナーが殺された。そして、殺害時の状況から犯行が可能な人物は一人に絞られた。その重要容疑者の父親から、息子の無実を証明するよう依頼されたマグナス・ゴールド。しかも今度はバレエ団がモスクワ公演に発つ前に、というデッドラインが設けられたのだ!
 新本格派の雄が、再び不可能犯罪に挑戦する。

 あらすじ読んだ限りでは別に普通っぽいので、読んで感想書きますが、いつになるやら。
 あとがき(解説)によると、英語ではこのシリーズが4作出てて、クロスワード・パズル研究会のシリーズが6冊、その他沢山出ていたみたいです。この本が出たのが奥付見ると1988年12月16日なんで、まぁその当時の話ですね。作者は1997年に亡くなっているとの情報もありました。
 ミステリ最低作品というのを選ぶというのは、最近はどの年末年始刊行ベスト本でもやってないみたいですが(大人の事情って奴ですかね)、まぁそういうのは同人誌ではとても盛り上がる企画なんだろうな、って思った。SRの会の現状はさっぱり不明なんですが、サイトもあって忘年会もやってるから、今でもワースト作品選考とかやってんですかね。
 ちなみに、同じ1989年版『このミステリーがすごい!』、推理作家の宮部みゆきさんは、

 一応順番をつけてありますが、本当は『誓約』(注:ネルソン・デミルの作品)がダントツなだけで、あとは横一直線です。『誓約』は質量ともに脱帽の大作で、迫力に圧倒されました。いざというときには武器にもなるという厚さ!

 …普通はこっちのほう読みたくなりますよね。
 ネルソン・デミルは現在も元気に執筆活動を続けています。