砂手紙のなりゆきブログ

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手塚治虫と大阪大空襲(紙の砦)

 手塚治虫は漫画「紙の砦」で自分自身の学徒勤労動員・空襲体験を含む戦争体験を語っていますが、これは水木しげるの戦記・戦争体験漫画と比較すると創作部分がちょっと多め、ということは認識しておいてもいいと思います。
 手塚治虫が働いてた軍需工場は淀川べり、十三の(ア)で、作っていたのは「(イ)の屋根にするスレート」だったそうです。
 漫画に出てくる空襲は1945年6月7日の第3次大阪大空襲の実体験を元にしており、その時のことを彼はこのように語っています。

 きな臭い黒い雨が降りしきり、淀川堤は死体や瓦礫の山で、ことに大橋の下は、避難した人々の上へ直撃弾が落ちて、折り重なって黒焦げになっていた(手塚治虫『ぼくはマンガ家』)

 この大橋(淀川大橋)というのは国道2号線の橋で、十三駅より少し南西にありましたが、働いていた工場がどこにあるのかさっぱりわからない。
 まぁ宝塚の女子も一緒に働いていたというのは嘘だというのはすぐわかるんですが、空襲は夜間ではなく多分昼間におこなわれ、焼夷弾の直撃を受けそうになったんだけど、「バイス(万力)台の下」という神の声を聞いて九死に一生を得たそうであります。
 2014年のセンター試験、日本史A・Bの問題で手塚治虫のこの漫画が出たそうですが、フィクション(創作物)を歴史の問題にするのもまぁ、このくらいならいいのか、とか思った。

(ア)(イ)に入る語句の組合せとして正しいものを、下の1~4のうちから一つ選べ。

(1)ア 大阪石綿 イ 格納庫
(2)ア 大阪石綿 イ 防空壕
(3)ア 浪速石綿 イ 格納庫
(4)ア 浪速石綿 イ 防空壕

 正解は(1)。